中国のモノのインターネットの概念
中国のモノのインターネットに関する研究は99年に始まり、中国科学院が担当した。ただ、当時はモノのインターネットではなく、「伝感網」(センサーネットワーク)と呼んでいた。05年にチュニスで開かれた情報社会サミットで、国際電気通信連合(ITU)がモノのインターネットの概念を正式に提起したことで、中国の業界も「モノのインターネット」に改めるようになった。
現在、中国が研究しているモノのインターネットは、05年のITU報告が指摘したモノのインターネットの範囲をすでに超えている。11年3月22日に正式に設立された中国電子商会モノのインターネット専業委員会はモノのインターネットの発展を推進するための専門機関。同機関のデータによれば、中国では、モノのインターネットとは、例えばセンサー、無線周波数識別(RFID)、全地球測位システム(GPS)、赤外線センサー、レーザースキャン、誘導子など各種センシング装置を通して監視・管理、接続、連動に必要ないかなる物体あるいは過程をもリアルタイムで収集し、その声、光、熱、電気、力学、化学、生物、位置といった様々な必要とする情報も収集する、インターネットと結合して形成された1つの巨大なネットワークのことを指す。その目的は、モノとモノ、モノと人、すべてのモノとネットとの接続を実現することで、識別や管理、制御を至便にすることにある。
モノのインターネット専業委員会のデータによると、モノのインターネットの用途に関する研究は主に知能交通、環境保護、政府の事業、公共の安全、セキュリティーホーム、知能消防、工業の監視・測定、環境の監視・測定、老人の介護、個人の健康、花卉栽培、水系の監視・測定、食品源の追跡など多くの分野に及んでいる。
モノのインターネット技術の先行者として、中国はモノのインターネット国際標準の制定に幅広く参与した。コンピューターやインターネット産業と異なり、中国は「モノのインターネット」の分野で国際的な発言権を享有している。中国科学院無錫モノのインターネット産業研究院の劉海涛院長はこう強調する。
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