本誌記者 蘭辛珍
中国は6月、モノのインターネット(Internet of Things)の発展に関するイベントを集中的に3度開いたが、これは極めて大きな関心を呼び、業界関係者はモノのインターネットの発展に中国が力を入れ始めたことを示すものかも知れないと話している。
6月1日、工業情報化部は「衛星移動通信システム端末地球ステーション管理に関する方法」を公布、施行した。同方法は、モノのインターネット業界の安全について防止措置を策定するとともに、モノのインターネット市場の競争を適正化し、モノのインターネットの将来の発展・応用に関しても主要分野の重点を整理している。
6月17日、「2011年中国モノのインターネット産業の発展に関する高級フォーラム」が北京で開かれた。中国工程院や中国電子商会モノのインターネット専業委員会が専門家を組織し、中国のモノのインターネット産業の実践と健全かつ秩序ある発展、工業と情報産業のさらに高度な融合の推進など関連する話題をめぐり討議した。
6月22日には深圳市が「第1回中国モノのインターネット経営者連盟交流会」を開催。モノのインターネットの知能交通、知能電力網、知能医療、知能物流、知能ホームといった主要分野での応用について重点的に議論した。深圳市政府はすでにモノのインターネット産業行動計画を作成。龍崗区と南山区にそれぞれモノのインターネット応用モデル産業団地を建設する予定で、すでに建設に向けた前期作業に着手している。
モノのインターネットは「漠然とした概念」から、次第に産業転換の高度化のための無形の「推進者」に変身しつつある。中国航天科技集団第二研究院の全春来副院長は高級フォーラムでこう語った。
中国電子情報産業発展研究院と工業情報化部ソフト・集積回路促進センターによると、中国モノのインターネットのコアネット整備プロジェクトは計画と設計をすでに終了、各準備作業はほぼ整った。整備作業は12年第1四半期に全面的にスタートし、13年に完成の予定。知能道路、知能電力網、ビデオ監視・管理のこの3分野は、短期間でモノのインターネットの広範な応用を実現できる可能性があるという。
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