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「サイバー戦争」に乗り出した米国

 

優勢を確保

米国はサイバー戦争の配備を急いでおり、主に3つの方面から検討が行われている。まず、自身のサイバーセキュリティの保証だ。インターネットはこの十数年で急速に発展し、人類の活動の各分野はネットワークと関連し、ネットワークへの依存度は日増しに高くなっている。それと同時に、サイバーセキュリティに関連した脅威も大幅に増え、個人によるハッカー攻撃・サイバー犯罪から組織的サイバーテロ・大規模サイバー攻撃などの行為まで、世界的なサイバーセキュリティ問題が目立ってきている。米国は極度にネットワークに依存した国であり、サイバーセキュリティ問題はいっそう際立っており、ひいては国防総省、中央情報局(CIA)など政府の主要ウェブサイトまでサイバー攻撃に遭う事態すら起きている。米国がサイバー戦争配備を急ぐ主な目的は自身のサイバーセキュリティを保証するという「守り」に立脚したものであると言えるだろう。サイバー戦争力を構築して、サイバー攻撃行為を「制止・抑止」するのである。サイバー戦争実施時の米国の具体的な能力、配備など細部についてはまだ外部から不明ではあるが、米国の最近の一連の動きと態度表明からその「サイバー抑止」戦略意図がはっきりと感じられる。

5月15日、ルーマニアの首都ブカレストで行われたハッカー公開競技会で、コンピューター操作に集中する参加者 (新華社)

次に、米国がサイバー戦争計画を急ぐのは、サイバー空間における優位性を確保するためでもある。インターネットの創始者である米国はサイバー空間で絶対的な優位性を持っている。チップからOS、ルート・サーバーからドメイン名管理まで、米国はインターネットのほとんどすべてを支配してきた。ここ数年、ソーシャルメディア、モバイルインテリジェント端末などインターネットの革新技術の発展と普及により、米国のサイバー空間における優位性はさらに高まっている。サイバー戦争力を備え、サイバー空間のルールを構築することは、今後米国がサイバー空間で覇を唱えるための2大注力ポイントである。サイバー司令部の設立、サイバー戦争ルールの確立、サイバー兵器の研究開発などの動きは、米国がサイバー戦争の理論研究、具体的実施などの面でも世界のトップに立ち、先行優位性を手にし、覇を唱えるために基礎固めをしたことの表れだと言えるだろう。

また、サイバー戦争の極めて高いコストパフォーマンスも米国をサイバー戦争に向かわせる重要な要因だ。他の戦争方法と比べてサイバー戦争は資金投入が小さく、コストが低く、配備がし易いにもかかわらず、その破壊性は極めて高く、与える損害もミサイル攻撃など従来の戦争方法に引けを取らない。関連研究によると、サイバー兵器の製造コストは通常300ドルから5万ドルの間で、ややもすると1億ドルにのぼる通常兵器の製造コストよりはるかに少ない。一部のウィルス兵器などは、技術スタッフが数名いれば完成させられるほどだ。米国がサイバー戦争への注力を強めるのは、将来を見据えた戦略的行動であるだけでなく、国内予算が緊縮し軍事費が制限されている状況の中でも限りある資源を活用し軍事的優位性も確保することができるからである。

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