監督強化を提言
「安全な食品は生産から出てきたものであり、監督や管理から出てきたものではない。食品メーカーは自律を強化しなければならず、主体的な責任を着実に実行することこそが、食品の安全の最も基本的な要求を保証することだ。そのため、食品の安全を宣伝し、信用と道徳の確立を強化することが非常に必要だ」。食品の安全の専門家、中国工程院会員の陳君石氏はこう強調する。
だが、天津科学技術大学食品学院の張沢生・副院長は13日の食品安全フォーラムで、「経済の発展に伴い、一部のメーカーは利益の最大化を追求し、規定に基づかない生産、道徳の欠如が原因の食品の安全に関する問題が相次いで起きている」と分析。
張副院長は、食品生産者によっては道徳が欠如しており、同時に法的な監督管理が追いついていないことにも、問題の発生の一定の責任があると強調。さらに張副院長は「食品の安全を確保し、安全意識に関するキャンペーンを強化すると同時に、監督管理を強化とくに政府の監督管理能力を強化する必要があり、メディアや一般市民もそうすべきだ」と指摘する。
また張氏は、「食品安全法」は09年6月1日に施行され、すでに2年がたつと説明した上で、「法がしっかりと執行されていれば、いまのような大半の食品の安全をめぐる問題は存在していないはずだ」と強調する。
陳諝氏は、経営者に対する法執行の度合いを強め、彼らの違法行為のコストを高め、信用と道徳の確立を強化すると同時に、食品生産の違反者を厳しく処罰するよう訴えている。
だが、中国が食品の安全をしっかりと監督管理するのはむしろ決して容易ではない。大半の食品メーカーの規模は非常に小さく、しかも分散しているからだ。国務院食品安全委員会弁公室のデータによると、各種の栽培・養殖・飼育業者は2億余りを数えるがそれぞれが分散。販売企業はおよそ430万社、飲食店は約210万店を数え、小規模な作業場や飲食店、屋台などは数え切れないほどだ。しかも生産・加工企業は10年以下が全体の80%前後を占める。監督管理の対象者数が膨大であることが監督管理を難しくしているため、監督機関がより多くの資金を投入しなければならないのは明らかだ。
「北京週報日本語版」2011年6月27日
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