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朝鮮、経済発展路線を模索

時永明(中国国際問題研究所副研究員)

5月20~26日、朝鮮の指導者、金正日総書記は多数の経済・技術専門家を率いて中国を訪問。一行は多くの中国企業を視察し、今回の訪中は経済的色彩が極めて濃厚だったと言えるだろう。韓国の学者は、総書記の訪中は朝鮮国内の幹部への「教育」のためであり、彼らに中国の改革開放の巨大な成果を肌で感じさせ、朝鮮の今後の政策転換の参考にするのが目的だと考えている。だが、朝鮮半島は依然として緊迫し、朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議が停滞している中、朝鮮は国家戦略の重点を経済発展へとシフトすることができるか、朝鮮経済はいかに発展していくのかが、世界が関心を寄せる問題だ。

5月16日にピョンヤンで開かれた春季国際商品展示会。冷蔵庫に人気が集まった(張利撮影)

 

◆経済発展は困難な局面打開に重要

朝鮮は現在、3つの大きな問題に直面している。第1は、外部の安全環境をめぐる問題が膠着状態に陥っていること。第2は、内部の政局が世代交代の試練に直面していること。第3は、経済が発展に向けて多くの挑戦にさらされていること。この3つの問題は相互連関性が比較的大きく、また相互に制約するものだ。だが、現在の錯綜したかつ複雑な状況を見れば、経済発展は朝鮮が困難な局面を打開する唯一実行可能な選択である。

外部の安全環境の面では、昨年の哨戒艦「天安」と延坪島事件のため、朝鮮と韓国の関係は深刻な対立状態に陥った。韓国側は朝鮮がまず事件について謝罪することを双方の対話の前提とし、米国は基本的に朝韓関係の改善を6カ協議再開の前提としている。朝鮮は何度も哨戒艦事件には関与していないと公式に表明しているが、こうした状況の下で韓国の要求を満たすのが難しいのは明らかだ。同時に、韓国と米国はいずれも来年に総選挙を控えており、政策の重大な調整はできない。一方、朝鮮にも韓米に政策を変更させる何ら効果ある手段はない。そのため、半島の政治的膠着状態を短期間で打開するのは難しい。

韓米に自らの政策を堅持させようとするいま1つの重要な原因は、朝鮮内部の政局に明らかな脆弱性が存在していることだ。2008年に金総書記の健康状態が突然、問題視されたことから、指導者の世代交代問題の解決が予定より早く議論され始めた。第3代の指導者をいかに確定するか、いかに引き継ぐか、引き継いだ後に朝鮮を導く能力があるかどうか、朝鮮にどんな変化が起きるのかなど、一連の問題が眼前にさらされた。このように多くの不確実性を前に、韓米が対立状態の中で状況を探り、時間をかけて待つことを選ぶのは明らかだろう。

朝鮮にとって、世代交代の平穏な移行を解決する上で主要となる問題は、十分な内部の支持を得ることである。人びとに認めさせる重要な条件は、国家の安全を保証すると同時に、人びとの生活を絶えず改善できることだ。もちろん、外部の安全環境が比較的緩和されることは、朝鮮の経済発展によりプラスとなり、朝鮮の権力の引き渡しにもプラスとなる。

だが、外部の安全環境の改善が難しい状況の下でも、経済発展と人びとの生活水準の著しい向上を実現できれば、恐らく新世代の継承者の地位の強化によりプラスとなるだろう。

こうしたことから、どの面から見ても、受動的であれ、また主動的であれ、精力を集中して経済を発展させることが、まさに朝鮮が内外の困難の局面を打開する重要な政策の選択なのである。

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