改善策
毎年起こる電力不足。しかしどの年も、電力建設投資を増やす以外に上手い解決方法はないようだ。国家電網有限公司によれば、今年から5年間で合計1億7000万元前後、年間3000億元前後を投資して電力網を建設し、「十二五」(2011年~2015年の第12次五カ年計画)期間末には新たに発電設備容量を5億~14億5000万キロワット増やすという。
国家電網は、新規で増やす発電設備容量のうち、クリーンエネルギー(水力発電、風力発電、原子力発電など)の発電量を引き続き増やし、石炭発電の比率を下げなければならない、と特に強調している。
今年の電力不足状況について帥軍慶副総経理は、今夏国家電網は地域間・省間の送電能力を最大限に発揮して電力不足が深刻な地域を重点的に支援する、との意を表した。現在、国家電網の地域間送電能力は3167万キロワットだという。
帥軍慶副総経理は、国家電網は地域間・省間電力網建設を加速する、と述べた。現在国家電網は雲南省錦屏と江蘇省南部を結ぶ特別高圧直流送電網の建設を加速している。これは西部の四川、雲南などの省のクリーンな水力発電電力を、東部の工業が高度に発達し電力需要が多い江蘇、上海、浙江など8つの省・市に送る送電経路で、2013年に使用が開始される見込み。送電容量は720万キロワットで、建設中の特別高圧直流送電工事では世界最大の送電容量があり、送電線が最も長い。
帥軍慶副総経理は、国家電網はさらに特別高圧電力網計画プロジェクトの事前準備作業を加速しており、早急な認可取得と着工を目指している、と語った。
国家電網はまた、発展改革委員会の要求に従い、「両高」(高汚染、高エネルギー消耗)企業と生産能力過剰業界の電力使用を厳しく制限し、不合理な電力使用需要を減らす。帥軍慶副総経理によると、高エネルギー消耗業界向けに別途高額設定された電力価格を厳格に実行し、価格調整力を強め、できるだけ「電力供給制限はしても停電はしない」ようにし、住民生活、病院、学校など公衆利益と国家安全に関連する重要顧客の電力使用を優先的に保証するという。
過大な電力使用負荷で送電損害が生じるのを防ぐため、国家電網は電力網設備の安全性評価と稼動メンテナンスを強化し、安全措置と防災措置を講じ、科学的かつ合理的に電力網の稼動方法を計画手配して、安全で安定した電力網稼動を確保する。
帥軍慶副総理によれば、短期間で今夏の電力需給の逼迫や矛盾を緩和するのであれば、最も重要なのは発電用石炭価格を安定させ、発電所の石炭供給を保障し、発電所に発電のための石炭があることを保証すると同時に、社会に節電を呼びかけることである。
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