――中国は高齢化が加速しています。どのような対策を取るべきだとお考えですか?
「未富先老」(豊かにならないうちに高齢化社会に入る)は中国の高齢化と経済発展の関係を浮き彫りにした重要な判断だが、完全ではない。2007年に、私は「辺富辺老」(豊かになる過程で高齢化社会に入る)という主張を打ち出し、高齢者、特に農村の高齢者が社会経済発展の成果を享受することを重視し、促進することを主張した。2009年には「未備先老」(老後保障の準備が整わないうちに高齢化社会に入る)という観点を打ち出した。ここで言う「未備」は高齢者サービス体系や養老保障体系などが整っていないことを指すだけでなく、膨大な人口総数という表面的事象の影で、極めて重要であるにもかかわらず軽視されがちな若い人的資源の不足も含まれている。お金があるだけでは高齢者のニーズを保障するに足りず、若い人的資源が社会の富を創り出し高齢者層にサービスを提供してしっかりと支える必要があることを、私たちは理解しなければならない。近い将来、中国は「人口の戦略的準備不足」のために後悔することになるだろう!
中国の高齢化は強制的計画出産という背景の下で出現したもので、特殊な複雑性を持っている。中国が出産制限問題と高齢化の解決を早急に統一計画して実施し、適度な第二子出産を奨励することは非常に重要な戦略的選択である。
――今回の国勢調査の結果、流動人口は2億2000万でした。これほど多くの人口が流動していることは何を意味しているのでしょうか?どのような問題に注意するべきですか?
人口流動の規模と範囲の拡大は、人口の圧力を活力へと変える社会原動力メカニズムが日ごとに強大になっていることを物語っており、また社会モデル転換と発展の大きなエネルギーも反映している。市場経済という「見えざる手」は、人口と資源環境に関する問題解決の重要な促進要因である。「人は高きに登り、水は低きに流れる」と言う通り、理性的で自由な人口流動の中で、人口と資源環境との最適な関係がかなり実現されてきた。市場経済は人口問題を解決する重要な力となったが、同時に国民待遇、市民待遇、人口融合問題や、「健全な都市化」と「制限つき市民化」の実現という重要な課題も提起している。
「北京週報日本語版」2011年6月1日
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