■価値をどう保持するか
中央銀行に放置するか。対外投資か。それとも、その他の理想的な方法で運用するか。経済学者らはこうした問題を考えている。その目的は、外貨準備の価値を保ち、増やすことができるかにある。たとえ増やせなくとも、大量の損失を出さない、ということだ。
中央財経大学中国銀行業研究センターの郭田勇主任は、中国の外貨準備の管理について「漸進的に米ドル資産の保有を減らす道を選んでもいいし、安全性の高い、流動性の強い外国政府の国債を購入や、金の備蓄、中国に不足しているエネルギーや資源などでもいい」と指摘。
さらに郭主任は「資産の組み合わせや配分の角度から言えば、米ドル資産の一部を別の貨幣による資産に切り替えれば、外貨準備の安全性と収益性を高めるにはプラスとなる。だが、米ドル資産を大量に別の通貨に替えれば、ドル安を招くのは確実であり、それによる資産の目減り、損失を受け入れざるを得なくなる。従って、漸進的かつ合理的な規模と方法で所有するドル資産を減らしていくことが望ましい」と強調する。
国務院発展研究センター金融研究所の夏斌所長は、3兆ドルの外貨準備をいかに管理するかについて、次のように指摘している。先ず、必要な外貨流動性を保持することで、国際収支のバランスを図る。次に、一定の外貨を運用して外国為替市場に介入し、レートの調節を図る。第3に、経済の持続可能な発展目標の実現に即して、戦略的利益を獲得する。最後に、さらに余分な外貨準備は、相対的に収益の比較的高い金融投資に充てる。
さらに夏所長は、民間の外貨資金用途の制限をさらに緩和し、外国の金融商品への投資と購入規制を解除するよう提言。また、国際通貨システムの再構築に積極的に参与し、人民元の国際化を実現する。これが外貨準備をめぐる難題を取り除き、中国の財産を米ドル資産から切り離して、金融の安全を確保する有効な方法だと強調している。
「北京週報日本語版」2011年5月25日 |