産業構造はなおも最適化が必要
4月25日、経済日報社中経産業景気指数研究センターと国家統計局中国経済景気監視センターは「中国経済非鉄金属産業景気指数報告」を共同で発表した。報告によると、非鉄金属産業の景気状況はほぼ正常だが、産業構造はなおも最適化が必要であるという。
報告によれば、2011年の第1四半期を見ると、中国の非鉄金属産業の景気は正常で、製品販売収入、利潤総額、業界従事者数はいずれも増加傾向にあり、また同時に中国の非鉄金属産業の生産者工場出荷価格は小幅ながら上昇している。これは、グローバル経済の穏やかな回復、貨幣の流動性過剰、ドル安、資本投機などの影響を受けてのことで、国際市場の非鉄金属製品価格は引き続き上昇し、それに伴って国内の非鉄金属製品価格も上昇した。
しかし、非鉄金属産業の生産能力過剰という局面は、短期間のうちに好転させることは難しい。国内の一部の非鉄金属メーカーは、盲目的に初級製品の生産能力を拡大している。非鉄金属企業の多くは科学技術研究・開発への投資額が少なく、付加価値の高いハイテク非鉄金属の製品開発を重視せず、エネルギーの消費も多い。しかも、輸出製品の種類は単一であるため、国際市場での競争力も脆弱である。
企業は、非鉄金属製品加工の産業チェーンの拡大を積極的に図るべきであり、高付加価値加工を実現し、高度な最新技術で非鉄金属工業を変え、向上させていかなければならない。また、技術革新や自主技術開発の推進を加速させ、産業技術のアップグレードを急ぐべきである。現在の状況下で非鉄金属企業が求められているのは、企業自身の体質や実力を強化することなのだ。
経済日報社中経産業景気指数研究センターによれば、国の一連の抑制政策は、非鉄金属産業の発展に重大な影響を及ぼし、業界の需給状況が改善される可能性がある。第2四半期の中経非鉄金属産業早期警戒指数は、引き続き正常な状態を表す「青信号」の範囲内にある。しかし、非鉄金属産業の景気が過度に政策調整に依存し、産業の健全な発展への内的なエネルギーが明らかに不足しているという問題を注視する必要がある。今回、中経非鉄金属産業景気指数報告では、非鉄金属産業の構造最適化のために以下のような5つの提案をしている。
1.企業の合併・再編を加速し、競争力をさらに強化する。強みを持つ企業どうしの提携や、地域を超えた合併・再編、海外合併買収・投資提携などの方法で、産業の集中度を高め、非鉄金属産業構造の最適化とアップグレードを推進する。
2.備蓄買上メカニズムを整備し、備蓄買上資金の繰越運用を実現させる。これは国内の非鉄金属資源の効果的な保護、中国の非鉄金属資源の保障能力と抑制能力の向上、製品需給バランスの改善、国際貿易における製品価格決定権の掌握に重大な意義を持つ。
3.非鉄金属精錬プロジェクトの投資に関する抑制力を強化し、立ち遅れている生産能力の淘汰を迅速に進める。省エネ、環境保護、土地、技術などについて基準を設け、新しいプロジェクトをふるい分ける一方で、立ち遅れた生産能力の淘汰を進め、整った淘汰メカニズムを確立する。
4.企業の「走出去(海外進出)」戦略を積極的に支援する。現在、中国の非鉄金属鉱物資源の海外依存度は上昇し続けており、非鉄金属鉱物資源不足の解決には、グローバルな視野を持つことが必要とされる。
5.科学技術を大々的に投入し、産業技術の進歩を推進する。産業チェーンの拡張を目標に据え、高度な最新技術の研究開発と応用をベースに、中国の非鉄金属産業全体の科学技術とイノベーション能力を高めていく。
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