農民所得は継続的に増加
盛氏は、今年の第1四半期の中国経済の最大の注目点は、農民所得の伸び率が継続的に加速しているという点だと考えている。
データによれば、第1四半期の農村住民所得の名目成長率は20.6%、物価要素を控除した実質伸び率は14.3%で、農村住民の伸び幅が初めて都市住民の倍になった。第1四半期の都市住民の1人当たりの平均可処分所得は5963元で、同期比12.3%増、価格要素を控除した実質伸び率は7.1%である。
盛氏は「これほどの急成長はそうあるものではない。このような結果は我々が期待していたものだ。我々が『三農』政策を支持し、長年にわたって実施し、強化してきた結果でもある」と語った。
同氏によれば、農民所得の急速な増加には直接的な原因が3つあるという。1つは農業生産を行う農民世帯の所得増加で、これは主に農業製品価格の大幅上昇によるものだ。2つ目は、農村における労働力の流動の加速で、今年の第1四半期の農民工の出稼ぎ人数は前年同期比530万人増となった。3つ目は、農村からの出稼ぎ労働者の給与が継続的に増加しており、第1四半期における出稼ぎ労働者の平均月収は1800元を突破した。
軽視できない問題
「十二五」(第12次五カ年計画)の最初の年にあたる今年は、各地における投資の積極性が比較的高く、これが経済を過熱させる可能性がある。
データによれば、第1四半期の固定資産投資は3兆9465億元で、同期比25.0%増。中でも中央案件は2540億元で伸び幅は同期比3.0%増、地方案件は3兆6925億元で、伸び幅は同期比26.8%増である。固定資産投資の中で、93%が地方案件にあたる。
盛氏は、地方への投資の積極性は比較的高いのは主に、西部大開発や「中部崛起」(湖南省、湖北省、江西省、河南省、山西省、安徽省の中部地域の開発計画)、その他の地域で地域計画が打ち出されるなど、中国の地域経済の一体化発展が投資拡大を牽引しているためである、と述べる。
固定資産投資の中で最大の問題は、不動産投資の増加スピードが速すぎるという点である。第1四半期の全国不動産開発投資額は8846億元で、同期比34.1%増。現在、中国では不動産に対してマクロコントロールを行っており、不動産販売は低迷している。こういった状況下においても、不動産投資は依然として活発であり、しかも不動産資金の大部分は銀行からの借入金であるため、隠れた危険がないとは言いがたい。
国家統計局のデータによれば、中国経済の動向は、生産者物価指数(PPI)が継続的に上昇するリスクをはらんでいる。
盛氏は以下のような考えを表明した。当面の国内外の経済環境は依然複雑であり、経済運営において不安定な要素や不確実な要素は依然として多い。次の段階でも引き続き積極的な財政政策と穏健な貨幣政策を実施して、政策の連続性、安定性を保ち、的確さ、柔軟性、有効性を高め、経済の安定的かつ比較的速い発展の維持、経済構造の調整、インフレ予想管理の関係をしっかりと処理し、経済発展の好ましい勢いを一層固めるべきである。
「北京週報日本語版」2011年4月28日
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