現代工業文明の打撃下での継承は困難
実際には、チャン族文化の危機は全てが地震によるものではなく、以前からすでに危機に瀕していた。現代化文明と都市農村一体化の過程で、チャン文化はチャン族自身にとっても次第に主流ではなくなりつつある。
楊国慶氏の考えでは、チャン族文化継承の環境は総合的なもので、それには気候、地理環境、人間居住関係、風俗、言語、チャン族刺繍が含まれるという。地震後、多くのチャン族村落の校舍が壊れたため、現地の子供たちは町の寄宿制学校で義務教育を受けており、週末に家に帰った時くらいしかチャン文化に触れることができない。楊国慶氏は「これではチャン族の若者たちと民族文化の間に隔たりが生まれてしまうに違いない。彼らが外の世界に触れ主流文化を知った後、自分たちの民族文化と位置づけが次第にあいまいになってしまうだろう」と語る。
現代工業文明の急速な発展にともなって、世界各国各地域の少数民族文化と同じように、チャン族文化の継承も大きな挑戦をつきつけられている。楊国慶氏は言う。「チャン族歴史文化保護試験区で外部環境は出来上がったが、それだけではなく、その内部にいるチャン族村落の人々も自民族歴史文化の価値を認識する必要がある」。
「北京週報日本語版」2011年4月27日 |