ボアオからほど近い三亜で14日、BRICS首脳が第3回会議を開いた。BRICS諸国は新興市場国の代表で、現在世界で台頭する発展途上国の一部である。
ボアオ・アジア・フォーラム2011年年次総会の開幕式の模様
今年は中国の「十二五」計画(第12次五カ年計画)実施初年度である。「十二五」計画にははっきりした特徴が2つある。経済発展モデル転換の加速と、民生の保障・改善である。中国経済発展の世界経済への影響は強まりつつあり、世界は中国の動向に非常に注目している。今回のボアオ・アジア・フォーラムでは中国の「十二五」計画を読み解く6つの議題が特に設けられ、重要な見どころになっている。
包容性ある発展が今回の年次総会のテーマとなったことに、アジアの人々の思いが反映されている。アジアは世界経済の中で最も活力があり、最も急成長している地域である。しかしアジアの人々は経済成長を自分のためだけに残すのではなく、世界と分かち合うことを望んでいる。われわれは貿易保護主義には走らないし、世界のその他地域の貿易保護主義にも反対する。包容性ある発展は排他的発展と対立するものだ。排他的発展は相手が勝てば自分が負けるという「ゼロサムゲーム」の反映である。貿易保護主義は排他的発展の表れであり、他人に損をさせて自分の利益を図ることだ。包容性ある発展はそれとは違い、ともに勝ち互いに利益を得ることがベースになっている。
今回の年次総会は西アジア・北アフリカ情勢の動揺が続く中での開催となった。同地域の石油埋蔵量は世界の探知済み埋蔵量の65%に達する。西アジア・北アフリカの動揺が続いていることで、世界原油価格が急騰し、それによって食糧価格の高騰が引き起こされるだろう。原油高は回復過程にあった世界経済に暗い影を投げかけ、各国にも新たな挑戦がつきつけられた。ボアオ・アジア・フォーラムで重点的に討議するのは経済問題であって政治問題ではないが、西アジア・北アフリカの動揺による経済への悪影響に皆が注目している。
数日前、世界貿易機関のサザーランド前事務局長が「ドーハ・ラウンドはすでに崩壊の瀬戸際にある」と声高に叫んだ。ドーハ・ラウンドが失敗すれば、打撃を受けるのは世界貿易機関とグローバリゼーション・プロセスであり、損害を被るのは世界各国である。そこに先進国か発展途上国かの区別はない。
世界のボアオ・アジア・フォーラムへの注目は、世界が大きく変化しつつあることの反映でもある。ボアオ・アジア・フォーラムの開催は、世界が平和・発展・協力へと向かう歩みを推進するだろう。
「北京週報日本語版」2011年4月15日
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