強大なる吸引・包容力
三亜サミットには南アフリカも参加する予定で、「BRICs」は「BRICS」、加盟5カ国となる。ブリックスの拡大は今回が初めて。地理的範囲が一段と拡大されることで、世界の舞台においても代表的かつ重要な役割を演じることになるだろう。
ブリックス・グループの凝集力は軍事面ではなく、経済面によく表れている。新興市場のすさまじい発展により、グループ内の経済面での凝集かつ爆発的な力は増強された。しかも、点的な枠組みから見れば、中国とインドはアジアの発展する大国、ロシアはユーラシア大陸をまたいで台頭する国、ブラジルと南アフリカ、一方は南米の雄、片方はアフリカを仰ぐ頂点にある。こうした点の集合である「粘着物」こそ、経済協力へのけん引力、そして経済発展がもたらす経済面における吸引力である。
国際社会が今回のサミットにより強い関心を寄せ、論評しているのが、規模の拡大だ。南アフリカが加盟国としてサミットに参加することで、ブリックスの地域としての代表性は拡大される。欧州とアジア、ラテンアメリカ、アフリカ大陸に及ぶことでその影響力はさらにグローバルな意義を持ち、対話と協力の中で提唱してきたグローバルな民主化、多極化の傾向が体現されることになる。
国際問題の評論家の間では、経済規模からすれば、南アフリカは「発展途上で最大の経済グループ」に仲間入りするハードな条件は備えていない、との考えが多い。だが、地政学的な政治、経済の角度から見れば、南アフリカの加盟は他の4カ国と南アフリカ自身にとって重要な意義を持つ。近年、南アフリカは高成長を維持しており、数多くの港と豊かな鉱物資源があることで、アフリカ最大の経済大国となった。南アフリカはアフリカの経済発展のモデルであり、南アフリカを通じて中国、ロシア、ブラジル、インドはアフリカ大陸との貿易や投資を円滑に進めることができ、アフリカ大陸の経済面での影響力を拡大する上でプラスとなる。そればかりでなく、南アフリカの加盟はブリックスのさらなる発展と国際協力に建設的な役割を果たすだろう。地域的に限定されたものではなく、地理的に見て国際的に影響力のある存在となる。ブリックスは南アフリカが加盟することで、真の意味での経済クラブとしての地位を得ることができるのだ。
ブリックス・グループは時代の発展の潮流に合致した新たな理念をさらに掘り起こし、包容と協力、対話、相互利益をその共有する思想・理念としなければならない。さらに多角的な協力の場として、共同の発展を模索する。5カ国としての新奇性は、点的に存在していることを除けば、加盟国間の文化的差異は非常に大きく、政治的な特徴も際立っているが、発展に向けて直面している問題と課題はむしろ共通していることだ。加盟国は異なる政治的特色など、互いに文化的な差異を尊重し、文化的に融合・発展できる余地を開拓し、経済協力の発展に尽力するといったように、多元的な国際経済秩序の確立に向けさらに大きな貢献をしなければならない。
「北京週報日本語版」2011年4月12日 |