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西アジア・北アフリカ情勢動揺の国際経済への衝撃

 

国際商品と金融市場が混乱

また、アラブ諸国の政局動揺、特にリビアのデモが内戦、さらに国際戦争へと発展したことは、短期的には国際大口商品市場の動きを大きく妨げ、アラブ諸国資本の国外流出を刺激し、長期的には商品と当該地域、ひいては世界の政治情勢にも多くの不確定性をもたらすだろう。

リビア内戦が国際戦争に発展しなければ、本来なら国際大口商品市場、特に原油価格は低下に向かうはずだった。国際市場原油価格は2月下旬以降アラブ世界の動揺、特にリビア内戦で急激に上がっており、ブレント原油、ドバイ原油、ニューヨーク原油価格が相次いで1バレル100ドルの大台に乗っていたからだ。もし西側の干渉がなければ、カダフィはベンガジを攻略してリビア内戦を早期に収束させ、リビア内戦による原油価格上昇圧力もなくなっていたはずだった。

それと同時に、日本大地震の衝撃と原発事故危機が収束に向かい、石油など大口商品価格を下げる働きを果たした。しかし西側が軍事介入したことで、戦争もリビア石油生産に対する衝撃もさらに長引くことは必至で、原油価格は新たな値上げ圧力に直面することになるだろう。リビアの石油輸出は世界の3.1%しか占めていないとはいえ、もし西側がリビア油田と輸送設備を爆撃して破壊すれば、サウジアラビアなどが増産してもリビア油田破壊による供給不足を完全に補うことはできない。

1970年代に原油価格が高騰して以来、アラブ諸国のオイルマネーの力は国際金融市場でますます無視することのできないほど重要になっている。西アジアと北アフリカの政治的動揺と戦争が長引けば、巨大な規模を持つアラブ資本が次々と母国から引き上げ、政局が安定した「安全圏」へと逃げ込み、為替レート、主要国際金融センター、母国での資産価格など多くの面で国際金融市場に影響が出るに違いない。今のところ人々の視線は大口商品市場の衝撃に向けられているが、金融市場への影響は日増しに表れてくるはずだ。

「北京週報日本語版」2011年4月8日

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