「BRICS」は先進国とは競争関係にあらず
南アフリカテレビ局記者:中国、「BRICS」の首相の3回目となる会談が今年、中国で行われることについて言及していたが、中国はこの会談に何を期待しているのか。また、一部では「BRICS」は新興市場グループとして先進国と競争していくつもりだと言われているが、どのように考えているか。
楊潔チ外交部長:我々は今回の会談で満足できる重要な成果を得られることを期待している。「BRICS」各国のトップが交流し、意見交換を行うことは極めて重要である。それぞれの歴史背景や文化に違いはあるが、我々は皆、自国の健全な発展を維持することに力を入れており、安定した経済と社会の成長を持続していきたいと考えている。皆、世界の金融、経済状況に注目し、それらの分野でより強い連携を取ることを望んでいる。これが「BRICS」の人々の願いであり、全世界が期待していることでもあると思う。
また、我々は実際の業務における協力も更に進めていかなければいけない。環境保護、商業・工業、シンクタンクなどの分野での協力では、既に大きな成果を出している。今回の会談を機に、新たな協力体制のイノベーションを促進し、中身の豊富な協力関係を築き、各国の人々に多くのメリットをもたらしたいと考えている。
今回の会談を通して、「BRICS」が世界金融危機に対処するため、世界経済の復興を促進するため、気候変動の対策を考えるために、欠かせない有意義な役割を果たすことがわかるだろう。我々「BRICS」と先進国とは競争関係にあるわけではなく、よりオープンで許容範囲の広い組織である。「発展途上国が連携(南南協力)」するための重要な要素であり、「発展途上国と先進国が協力(南北協力)」するための架け橋でもある。今回の会談で「BRICS」が以上、述べたような多種多様な方面で、重要な役割を果たすと確信している。
経済・貿易問題における政治化に反対
記者:楊部長は世界の国と国の関係、とりわけ中国と欧米諸国、そして周辺諸国との協力関係、競争関係についてどのように見ているか。
楊部長:正直に言えば、国と国の経済貿易関係やそのたの分野においては、協力的な一面もあるが、競争的な一面もある。私はまず開放的、寛容的な態度でその競争に向き合うようにしている。各国が競争において自国の優位性を発揮し、自国の潜在力と活力を見いだすことにより、共に発展することを望んでいる。
われわれは公平性を土台として、競争が展開されることを望んでおり、経済・貿易の政治化やダブルスタンダード、差別的な待遇には反対である。
われわれはウィン・ウィンを目的として良好な競争を展開し、自国の利益を得ると同時に、相手国の利益も尊重することを主張している。相手国の立場になって考えることが必要であり、自国のことばかりを考え、他国に損害を与えてはならないし、対立を招いたりしてはならない。
競争はバランスが大切である。歴史的、現実的要因により競争で不利な立場にある発展途上国に対しては競争力や持続可能な発展の能力が向上するよう支援していくべきである。