第11期全国人民代表大会第4回会議は7日午前、北京・人民大会堂の3階にある「金色ホール」で記者会見を開き、中国外交部の楊潔チ部長が中国の外交政策や外国との関係について記者の質問に答えた。
去年の国際情勢は「変革」と「協力」
国際情勢に関する新華社の質問に対し、楊部長は「昨年の国際情勢の特徴は『変革』と『協力』という言葉であらわすことができる」とし、「世界的な金融危機の後、世界経済は危機的な状況から何とか抜け出し、世界が大変革、大調整、大発展の方向に進んでいる。世界経済管理メカニズムの改革も推し進められ、新興経済国は急成長している。世界のパワーバランスは現在均衡する方向に向かって発展している」と述べた。
多国間会議のけん引的役割を発揮
今年は21世紀の2回目の10年の始まりで、「十二・五(第12次5カ年計画)」のスタートの年でもあり、中国は外交活動を全面的に進め、特に多国間会議のけん引的役割を発揮する必要がある。
胡錦涛主席が今年1月に行った米国への国事訪問は成功し、中国の今年の外交は良好なスタートを切ることができた。続いて、4月に中国でBRICS首脳会議、6月には上海協力機構(SCO)成立10周年を記念する首脳会議が開かれる。10月には東アジアサミット、11月にはフランスで20カ国・地域(G20)会合、米国でアジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会合が開かれることになっている。これらの会議はどれも非常に重要で、中国は準備を入念に行わなければならない。中国がこれらの会議を成功させ、国際社会の協力を促進し、地域協力に大きく貢献できることを信じている。
今後5-10年の外交は立体的思考が必要
楊部長は今後5年から10年の中国外交を展望し、全体的な目標は小康社会(ややゆとりある社会)の全面的建設という壮大な目標の実現に向け国際関係や周辺国との関係を築くことだが、平和が永続し、共に繁栄する、調和の取れた世界を築くためにもより大きな貢献していかなければならないと述べた。
その具体策として、第12次5カ年計画(2011-2015年)の実施と経済成長パターンの転換をあげ、立体的思考、立体的操作を通じて、首脳外交をはじめとする、国家間や地域間、各分野における外交の相互促進のほか、2カ国間・多国間の協力、政治・経済・文化の交流といった有力な外交枠組みを形成していく必要があると指摘した。
楊部長はまた、国内外の大局を同時に見据え、平和的発展と科学的発展の相互関係を正確に把握し、互恵・ウィンウィンの開放戦略を貫くことで、平和的発展の道が開かれると語った。
|