物価の持続的な大幅上昇はあり得ず
姚景源氏は今年の状況について、物価の暴騰はあり得ないとの考えを示した。「7年連続しての豊作で、在庫も豊富だ。その一方で、工業製品は総体的にやや供給過剰状態にある」と指摘。
農産物の価格の上昇によって、多くの市民が自宅のベランダで野菜を作るようになった。写真は自宅のベランダで栽培した野菜を収穫する安徽省合肥市の市民(楊暁原撮影)
国務院発展研究センターマクロ経済研究部研究員の張立群氏は「中国の現在の実体経済全体は、工業消費品であれ、工業生産資材であれ、農産品も含め、いずれも需給は大体バランスが取れており、一部では供給過剰の状態もある。11年は食品や工業消費品、また工業生産資材も、価格の上昇率はそれほど高くはならないだろう」と話す。
中国国際経済交流センター研究部マクロ経済処処長の王軍也氏は「11年について言えば、物価の水準が全面的かつ持続的に大幅に上昇する兆しは見えない」と強調。さらに、野菜など農産品価格の上昇は周期的で短期的であり、国務院は16項目の物価安定推進策を講じたという。「こうした措置は将来、徐々に役割を発揮していくだろう」と強調する。
中国共産党中央政治局は2月21日会議を招集し、物価の基本的安定の維持をうたった。会議は「11年は『十二五』が始まる年であり、中国が発展に向け直面する情勢は依然として極めて複雑である。マクロ経済政策の連続性、安定性を保持するとともに、対処性と柔軟性、有効性を向上させて、引き続き積極的な財政政策と安定した金融政策を実施する。経済の安定かつ比較的速い発展と経済構造の調整、インフレ予測の管理との関係を円滑に処理して、経済に大きな変動が生じるのを防止する」と強調。さらに、物価の総体的水準の基本的な安定を保持し、内需とくに住民の消費ニーズをさらに拡大するとともに、農業の基盤と地位を強固、強化することで、経済構造の戦略的調整の推進を加速する、としている。
「 北京週報日本語版」2011年2月25日 |