中立金融政策はインフレ抑制にプラス
今年直面する可能性のある物価上昇圧力と資産価格の問題に対処するため、中央銀行はすでに金融政策を適度な緩和から中立(穏健)へと転換。国家発展改革委員会財金司司長の曹文煉氏は「適度な緩和から中立へと転換する、これはマクロ調整政策における1つの重要な調整であり、現段階の内外経済情勢に基づいて行った正しい選択だ。中国がいま直面している内外情勢は1年余り前と異なる。内外の流動性は非常に豊かであるため、金融政策を適時に調整、転換する必要があり、こうすることはインフレ抑制にプラスとなり、市場におけるバブル防止にもプラスとなる」と指摘。
綿、化学繊維、羊毛、蚕糸などの紡織原料の価格の大幅な上昇は、紡織企業に真っ先に影響を与えた。写真は浙江省諸曁市にある紡織会社で紡績作業をする労働者(新華社)
曹文煉氏によると、11年の中立的な金融政策の主な内容は以下の4点。第1は、総量の調整を重視する。通貨の増発と融資の実施を前年より低めに調整することで、効果的に流動性とインフレ抑制の動きを確実に把握する。第2は、成長を確保し、より多くの資金を実体経済に注入させる。今年は「十二五」(第12次5カ年計画)の初年度であり、経済成長に向けて良好な環境を整える必要がある。第3は、融資構造の調整を強化する。中小企業や「三農」(農業・農村・農民)など脆弱な分野への融資を拡大し、過熱産業に対しては資金が回らないようにする。第4は、金融分野のリスクを注視し、金融市場の行き過ぎた変動を防ぐ。
中央財経大学中国銀行業研究センター主任の郭田勇氏は次のように話す。「金融政策では適度な調整を行う必要がある。その最大の意義は、政策が金融危機の影響から本格的に別れを告げてポスト金融危機の時代に入った時に、成長確保を最優先とした危機時代の政策が、構造の調整と産業の転換を基本的に重要な意義とみなす常態的な管理に置かれることにある。金融政策の中立は緊縮的な金融政策とは異なり、中立はさらに今年の金融政策に相対して言えば引き締めであり、相対的な水準に属し、絶対的な水準の面で、金融政策はやはり経済成長を柔軟かつ多変的にサポートしなければならない。中国の今について言えば、インフレ圧力はあっても、経済はまだ過熱していない」。
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