――プロジェクト研究の中で、潘教授は外国の研究方法を参考したことがありますか。このプロジェクトは現代社会にどんな示唆を与えていますか。
これらの手工芸は海外の先進国では非常に希少なものであり、すでに文化遺産の保護対象になりました。中国の農村、特に私たちの調査研究した臨沂、荷沢、濰坊における手工芸の村では、豊かな民衆的基礎と産業的基礎がすでに形成されています。新石器時代から現在まで、原始社会の彩陶や黒色陶器、織りものなど5千年にわたる手工芸文明は途絶えることなく現在まで伝わってきたのだと言えます。
中国は絵画や書道、漢字など、非常に輝かしい文人文化、宗教文化、伝統文化を持っています。しかし、これらのものを伝承する基本的な方法は手工芸であり、木版画や活版印刷や陶磁器などもすべて手作業で作られたものです。中国の文明的な成果はすべて手工芸によって伝承されてきたのものであると言え、その手工芸を押し広める必要があります。
手工芸は中華民族の創造力の非常に重要な源です。もしこれを徹底的に研究し、一般大衆の間に普及させ、小中学生に手工芸を習わせ、大学生がこれを好きになり、後代の人々がこれを伝承していくようにすれば、その意義は「手工芸学」確立自体の意義を遥かに超えるでしょう。
潘魯生氏 プロフィール
1962年生まれ。山東省荷沢曹県出身。芸術学博士、教授。中国美術家協会理事、中国民間文芸家協会理事、国家非物質文化遺産保護工作専門家委員会委員。
「北京週報日本語部」2011年2月18日
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