林暁光(中国共産党中央党校教授)
今、釣魚島をめぐる新たな駆け引きと争いが進行している。今回発生した一連の出来事により、釣魚島は再び中日関係における焦点となり、中日両国と国際社会はその成り行きを注視し、神経を尖らせている。
釣魚島問題の解決方法について、中国側は「論争を棚上げし、共同開発する」という基本方針を取り、現状を安定させることで中日関係という大局を守ろうとしてきた。それなのに日本側は中国側の善意を顧みず、釣魚島問題に関して何やらこそこそと小細工をしている。日本の右翼団体が島に上陸して灯台を建て、後になって日本政府はこの灯台を海上保安庁の管理下に置いた。また、航空機で釣魚島を空から「視察」する日本の議員は後を絶たず、日本側の巡視船は中国(台湾含む)漁船の航行を阻止、駆逐し、衝突までした。「離島保護法」を成立させて離島への軍隊駐留を画策し、さらには作戦部隊を編成して、米国と共同で「島嶼奪回」を主な任務とする軍事演習まで計画している…
9日、日本・沖縄県石垣港で巡視船「よなくに」号の側に停泊する、日本の海上保安庁に拿捕された中国の漁船「閩晋漁5179」号(右)(季春鵬撮影)
日本の釣魚島に対する支配強化と一方的な行動により、「論争を棚上げし、共同開発する」という方針では、もう釣魚島海域の安定を効果的に守ることができなくなった。引き続きこのような方針・政策を取り続ければ、釣魚島問題の解決は遅れ、日本側の釣魚島支配は引き続き強化されるだろう。
釣魚島問題解決に関して、明らかに中国のほうがより切迫感を持っている。では、現在の国際政治環境下で、どうすれば釣魚島問題を解決できるのか、少なくとも釣魚島問題を中日関係の「活火山」ではなくするにはどうすればいいのか。今、この問題を深く考えるべき時が来ている。
国際司法裁判所に提訴するというのは可能だろうか?筆者はその可能性は高くないと考える。理由は簡単だ。中日双方ともに自国の釣魚島に対する主権を堅持しており、第三者の採決や判断を受け入れないだろう。実際、双方は現在、法的解決手段の選択を基本的に排除するという立場を取っている。
「論争を棚上げし、共同開発する」という原則が日本側によって破られ、継続していくのが難しくなった以上、法的解決の可能性はさらに微々たるものとなった。では、外交ルートや交渉、対話を通じて政治解決を図ることはできないだろうか?
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