宋慶齢故居での記念写真
今回の展覧会を開催したきっかけについて、中国宋慶齢基金会研究センターの陳紅軍常務副主任は、次のように語った。「孫文は30年にわたる革命生活の中で、日本の多くの革命の志士や友人の支持を得た。その中でとても有名なのが梅屋庄吉だ。梅屋庄吉は孫文と宋慶齢の友人、革命の支持者であっただけでなく、彼らの結婚の立会人でもあり、孫文と宋慶齢の結婚式は梅屋庄吉の家で行われた。彼らの間には非常に深い友情がある。われわれはこの友情を記念するために、梅屋庄吉の子孫と連絡を取り、このような展覧会を開催した。来年2011年の辛亥革命100周年に向け、中国宋慶齢基金会は一連の催しを企画しており、今回の展覧会はその盛大な幕開けとなった」。
本誌記者のインタービューを受けるアジア平和貢献センター理事長、早稲田大学元総長の西原春夫氏
孫文を援助した日本人が多い中で、なぜ今回特に梅屋庄吉の業績に焦点を当てたかについて、アジア平和貢献センター理事長、早稲田大学元総長の西原春夫氏は次のように述べた。「理由は、多くの日本人が孫文を扶けた動機は、すべて後年日本の国家政策とされた日本を盟主とする大東亜共栄圏思想の先駆をなすような国粋主義的な思想にあった、と見る誤解を解くところにある。確かに当時の日本人の中にも、そのような政治思想に駆られて行動した人がかなりあったように思われる。それはそれで決して否定すべきではない。しかしそれを強調するあまりすべての日本人の動機がそうであったような印象を持たれることは、何としても避けなければならない。梅屋庄吉が元来そのような政治思想とは無縁の人でありながら巨大な援助を惜しまなかった事実を知って頂くことは、ありうべき誤解をさりげなく回避するのに資すると思う」。
|