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都市に「家」を――新世代農民工

本誌記者 呂 翎

「新世代農民工」とは、改革・開放(1978年)後に生まれ、都市部へ出稼ぎに来た農村住民であり、都市と農村の2元構造を打ち破る先駆けとなる世代だ。農村出身ではあるが、農村に身を落ちつけることに甘んじず、都市生活に憧れている一方、恐れてもいる。新しい時代の思想を持っているのに、この時代に見合う身分と経済力がない。「根のない世代」と低く評価されることもあるし、「中国の新世代産業労働者の主力軍」と高く評価されることもある。ほとんどの都市住民にとって、「家」は住宅か、または家庭かもしれないが、新世代農民工という独特な層にとっては、彼らを受け入れ、理解してくれる都市のことだろう。

「新世代農民工」という表現は、今年初めて中国共産党中央委員会と国務院が発した1号文書に現れた。全国政治協商会議委員で、中央農村工作指導グループの陳錫文副グループ長は「1号文書に言われている『新世代農民工』は、“80後(80年代に生まれた若者)”と“90後(90年代に生まれた若者)”を代表とする新世代の出稼ぎ農村住民を指しており、全国の1億5000万農民工総数の約66%を占める1億人いる」と言う。

社会の構成部分としての新世代農民工は2010年の「両会」(全国人民代表大会と全国人民政治協商会議)で注目される話題になっていた。代表・委員から市民、さらに「新世代農民工」自身までも、彼らの生存現状と今後の発展、直面する問題を考えている。

新世代農民工の新しい生活

少年のような顔立ちをした保安員の徐業君(20歳)は、安徽省の中学校を卒業すると北京へ出稼ぎに来て、まもなく2年になる。保安員の制服を普段着に着替えた彼は、安徽なまり以外に、北京の若者とほとんど違いはない。

「仕事がひけてからネットカフェに入り浸ることが普通だ。他の遊びよりそれほどお金が要らないからだ」と徐業君は言う。徐君のいる不動産管理会社は住所を無料で提供してくれており、毎月1400元の給料から食費やタバコ代、他の支出を差し引いたら、いくらも残らない。

「昼間はロボット、夜間は木偶の坊」に喩えられた前の世代の農民工が過ごした面白みのない生活に比べ、ネットカフェやディスコに行ったり、髪を染めたり、流行を追いかけたりする新世代農民工の暮らし方はずっと豊富になっている。彼らは貯金にそれほど熱心ではなく、都市で話題になっていることは彼らの会話にもよく上る。

例えば、「北京の住宅価格は高すぎる。ここのコミュニティは昨年だけで、1平方メートル当たり7000元近く値上がりした」と徐業君は言う。どうして住宅価格を知ったのかと聞かれて、徐君は近いところに立てられているある不動産屋の広告看板を指して「ほら、あそこに住宅価格が書かれている。この半年に見る見る住宅価格が値上がりしたのだ」と答えた。「私が北京で家が買えないだけでなく、大学の卒業生すら買えないんだ」と徐業君は冗談半分で言う。

家の事に触れると、徐業君は農業に携わるつもりはぜんぜんないと答えた。「野良仕事はやったことがないし、やれない。できれば、北京で現在の仕事よりもっと収入が多い職業を探したい」。

北京では、徐業君のような若い出稼ぎ就労者は前の世代とまったく違う暮らしをしている。彼らは就業や住宅、再教育など都市部住民も抱えている問題に直面せざるを得ないものの、大きな吸引力がある都市部の生活を放棄したがらない。旧正月には故郷へ帰ることもあるが、それは「儀礼的な里帰り」に過ぎず、家族を気にかけているからであり、農業に対しての興味を持っているわけではないという。

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