次に、中国企業と日本企業の品質問題はまだ同じグレードではない。日本企業の品質問題は技術面に割合多く現れているが、中国の品質問題は往々にして偽物製造の面に現れている。粗悪品で優良品を装い、偽物を本物と偽り、ひいては偽物でいわゆる品質をパッケージングする悪徳メーカーまでおり、いつばれてしまうのかは時間の問題に過ぎない。中国製品の品質の欠点を補うには、まず偽造防止から着手しなければならない。
第3に、品質問題や危機対応の面においても、日本企業が中国企業よりはるかに優れている。トヨタは今回、一時的には世界自動車業の「大物」の威張った態度を捨てられなかったものの、最終的に社長を米公聴会に出席させた。品質問題が発生した日本企業で経営部陣がメディアの前で深く頭を下げて消費者に謝罪することは一般的であるが、中国でめったにないものだ。実際には、このような「非を認めて罪を償う」という企業文化は従来中国から伝えられたものだが、中国の現代企業ではきわめて稀である。
リコール事件が発生したトヨタにとって、数十年間注がれた心血は水の泡に帰し、今後、国際市場において製品を大量に販売するのは以前よりもより難しくなるに違いない。中国企業にとっては、今後、国際市場にハイテク製品を輸出しようとすれば、必然的に厳しい技術水準や管理モデルを自らに課し、危機対応能力を鍛えなければならない。「人を鑑みとし、得失を明らかにする」ことができると言うように、今、中国企業は日本企業を嘲笑すべきではなく、日本を鑑みとし、日本企業で発生した品質問題から教訓をくみ取ってこそ、近代化工業の道を歩み、国際市場に向かう途中で同じ失敗を繰り返さないようにし、真の飛躍的な発展を実現することができるだろう。(作者蒋豊は日本滞在の学者)
「北京週報日本語版」2010年2月26日 |