気候変動の対策として、中国は二酸化炭素(CO2)の排出削減に積極的に取り組んでいる。この決意と行動が弱まることはない。人類社会の将来に責任を負うためであり、中国の持続可能な発展を保つためでもあるからだ。
本誌記者 蘭辛珍
2009年9月23日にニューヨークを訪れた北京環境交易所の熊焔理事長は、「中米低炭素経済会議」に出席した代表たちに中国で起きた二つの出来事を述べた。一つは北京市園林緑化局が行った「CO2中和」活動だ。同局は空港やショッピングセンター、公園など人出が多い場所に、自発的に二酸化炭素吸収源を守るためのグリーンカーボン基金を買う市民のためにサービスコーナーを設置した。市民は1000元を払ったら、有効期限1年間の車に貼り付ける環境保全ステッカーがもらえる。払ったお金は中国グリーンカーボン基金に納められ、万里の長城の麓での植林に用いられるという。この新しいサービスは環境保全に関心を持つ市民に熱い反響を呼んでいる。
もう一つは、今年8月5日、第三者認証排出削減量(VER)の中国最初の取引が北京環境交易所で成立したことだ。グリーン社会を守るという社会的責任を履行するため、天平自動車保険株式会社は、04年の設立当初から08年末までに排出したCO2排出量を相殺するため、北京五輪期間の「グリーン外出」活動で産み出された8026トンのCO2認証排出削減量を購入した。
「二つの出来事は、自発的にCO2の排出を削減する国民意識が中国で静かに芽生えている現れだ」と熊焔氏は見ている。
排出削減意識の芽生えは、中国政府が全国民へのPRを拡大した結果だ。11月26日に開かれた国務院報道弁公室の記者会見で、国家発展改革委員会(以下「発改委」と略)の解振華副主任は「責任ある発展途上国としての中国は、気候変動を極めて重視し、資源節約と環境保全を基本的な国策として貫き、持続可能な発展の実現を国家戦略とし、省エネ・排出削減関連の諸活動を積極的に繰り広げ、気候変動対策を積極的に講じている」と発言した。
発改委によると、今年上半期までに、中国の単位GDP当たりエネルギー消費は05年ベースでさらに13.45%下がり、これはCO2の排出を10億トン以上減少したことに当たる。この規模はいかなる国に比べても見劣りがしないものだ。
11月25日、国務院はまた向こう10年間の温室効果ガス排出制御の目標を打ち出した。すなわち、2020年までに全国の単位GDP当たりのCO2排出を05年に比べ40~45%下げるというものだ。
「この目標の実現には並々ならぬ努力を払わなければならないが、中国の目標達成の決意は確固不動なもので、可能な限りを尽くして政策措施と適切な行動をとり、持続可能な発展を実現させ、全世界の気候を保護するために貢献をしていきたい」と、解振華氏は述べた。
中国政府のこの決定は、今後、中国の競争力のある製品は低炭素製品とエネルギー低消費製品に集まることをも示唆している。
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