近年来、CAFTAの設置は目標に向けておおむね順序立てて推進されてきた。中国とASEANの双方が短期間のうちにコンセンサス段階からアクション段階へと進んだことは、中国とASEANがCAFTA設置を共に切望していることの表れでもあった。中国とASEANは地理的にも近く、文化も相通じ、経済的に相互補完関係にある重要な戦略的パートナーであり、適切な自由貿易区の設置を通じて、相互依存度を高め、次第に熾烈になる外部世界の競争や挑戦に共同で立ち向かっていくことにまったく問題はない。
今年8月、中国商務部の陳徳銘部長とASEAN10カ国の経済貿易相がタイのバンコクで『中国—ASEAN自由貿易区投資協定』に共同調印したが、これは双方が中国—ASEAN自由貿易区協定の主要協議を終え、CAFTAが期限通り2010年に設置されることを意味している。一方今回の中国-ASEAN商務投資フォーラムで明らかにされた情報を見ると、CAFTA設置、つまり2010年1月1日までに、中国とASEANの90%の貿易製品で関税ゼロが実現し、サービス貿易市場が実質的に開放される。疑うまでもなく、この情報は中国とASEANの将来的発展にとって重大な意義を持っている。
容易に気づくことだが、CAFTAの推進プロセスにおいて、長年にわたって遭遇しないほどの金融危機が世界を襲い、グローバリゼーションを背景にして、中国とASEANは深刻な影響を受け、難を免れることはできなかった。しかし、CAFTAの設置は、そのために歩みを緩めることはなかった。今年の最初の九カ月で、中国とASEAN間の貿易額は1500億ドル近くになり、双方の経済貿易協力はすでに新たな段階へと入った。今回の中国—ASEAN博覧会の開催もまたそれを証明する例である。そこには、双方の連携による国際金融危機への対応、貿易投資の自由化と利便化の推進、時局の困難さを共に克服したいという願望とアクションがはっきりと見て取れる。
中国とASEANが金融危機期間中に採った行動は、地の利を活かした双方の協力強化にまだかなりの余地があることを示すとともに、貿易保護主義の逆流が出現しつつある状況においても、協力しWIN-WINを目指す道を中国とASEANが今後も選択することも示している。双方が政策の連続性、安定性を維持し、政策の目的性、有効性と持続可能性を強化すれば、互いの危機抵抗力を強化し、自身の経済の安定的高成長を維持できるだけでなく、南北の発展不均衡の改善に役立ち、世界経済の回復を促すことにもなるだろう。
中国-ASEAN博覧会はすでに第6回を数え、2004年以来毎年一回開催されている。中国-ASEAN博覧会は効果的なPRの場として、双方の経済貿易協力の成果を紹介し、中国とASEANの製品とサービスが展示される。過去、現在を問わず、中国-ASEAN博覧会はプラスの役割を果たしてきた又は果たしつつあり、中国とASEAN間の戦略的パートナーシップはさらに強化されていくだろう。
今回の中国-ASEAN博覧会がCAFTA設置前の一大イベントであると言うならば、中国とASEAN間の経済、貿易、投資協力を促進し、共同で中国-ASEAN地域をより強大で繁栄した地域にするために、CAFTA設置後もこの博覧会を引き続き開催していくべきである。そして博覧会という仲介の場を借りてであれ、CAFTAの設置を通じてであれ、中国とASEAN間の「10+1>11」効果はすでに明らかになっており、こうした地域経済一体化の推進は人々に将来に対する期待を抱かせている。
「北京週報日本語版」 2009年10月23日 |