鉄重石
蘭辛珍
環境、自然資源を保護し、今後の経済発展の需要を満たすため、中国はこれまで制限を加えてこなかったレアメタル(希少金属)の採掘・輸出行為に対し引き締め政策を実行する。
工業・情報化部は「2009~2015年レアアース(希土類)工業発展計画改定案」の策定を終え、「改定案」はレアアース輸出に厳しい制限を加えた。この政策はまもなく正式に公布される。これは中国がレアメタル輸出を制限するために制定した次なる政策である。
中国は世界のレアメタルの主な供給国であり、多くのレアメタルの埋蔵量は世界のトップに立っているが、これまで採掘権に対する国の規制が緩く、各種レアメタル鉱はむやみに採掘される混乱した局面に陥った。レアメタルのほとんどが一次産品の形で国外に安売りされた。
このような情勢を変えるため、2005年「レアアース原鉱」を中国商務部と税関の「加工貿易禁止類商品目録」に組み入れ、禁輸した。これ以降諸外国は加工を経て純化されたレアアース素材しか購入できないようになった。
2007年、国家発展改革委員会と商務部は新たな「外国投資産業指導目録」を公布した。「目録」では、「タングステン、モリブデン、スズ、アンチモンなどのレアメタル」が外国業者の進出規制分野に組み入れられた。
しかし残念なことに、企業利益と地方利益の二重の誘惑のもとで、レアメタル鉱の乱採掘問題は依然として由々しい事態にあり、廉価での輸出は減っていない。やむを得ず、中国はより厳しいレアメタル輸出規制を制定せざるを得なかった。国土資源部は2009年4月に「2009年タングステン鉱アンチモン鉱とレアアース鉱の採掘総量規制指標に関する通達」を公布した。同通達で、2010年6月30日まで、タングステン鉱、アンチモン鉱とレアアース鉱の実地調査許可証、採鉱許可証の申請の受理を一時停止したことが発表された。
中国のこれらの政策は一部の国から激しい反応を引き起こした。6月23日、欧州連合(EU)とアメリカは中国のタングステン、アンチモン、レアアースなどのレアメタル輸出規制に反対するため、WTO(世界貿易機関)に提訴した。双方の紛争の解決がまだ始まらないうちに中国がレアアース工業発展計画を改定したことは、中国政府のレアメタル輸出制限の決意を表すものである。
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