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原子力協力強化における印米の戦略

 

インドは「核兵器不拡散条約」(NPT)に加入していない国だ。1998年5月、インドは中国の脅威を口実に5回連続して核実験を行い、国際社会から幅広い非難を浴びた。国連安全保障理事会の5つの常任理事国はインドを強く非難する1172号決議を一致して採択し、米国を始めとする西側の国もインドに対して一連の制裁措置を取ると発表した。現行の国際ルールに基づき、「核兵器不拡散条約」に加入していない国は、その他の国の原子力技術と原子力材料を獲得する権利がない。このため、インドはずっと「核孤立」という状態に置かれていた。このような状態はインドに少なくとも2つの影響を与えている。1つは核大国として世界で事を行ってはならないことで、もう1つは原発の生産を拡大するのが難しく、日ましに供給不足になる国内のエネルギーに対する需要を満たすことができないことだ。インドは米国と原子力協力を本格的に展開した後、その核大国としての地位もある意味で米国とその他の国の認可を得て、長期にわたって必死に追求してきた核大国の地位を一歩前へ進めることになった。また、インドが今後、米国の原子力技術と原子力装備を採用できることは、疑いもなくインドのエネルギー不足を解決するテンポを大きく速めた。言い換えれば、インドが米国を通じて核孤立の局面を打ち破ったことは、政治面では高得点を獲得し、エネルギー面では実益を獲得したことになる。 

インドは石油不足の国であり、エネルギーの自給率もたいへん低い。現在、インド国内のエネルギーに対する需要量は80%が石油の輸入に頼っており、近い将来、エネルギーの対外依存度が90%を超すと見込まれている。原子力エネルギーの供給比率を増大させることは、エネルギー構造を変え、エネルギー不足を緩和させる必然的な行動だ。しかし、インドがそのために核拡散防止に関する国際社会からの大きな圧力に逆らい、ひいては国内で政府崩壊のリスクまで冒して、米国との原子力協定を断固として実行したことは、明らかに深い戦略的考えがあってのことなのだ。

ここ数年、インドは「精彩を放つ大国」になることを国家戦略の明確な目標として定めている。米国との関係を大きく発展させ、自国の世界における地位を急速にアップさせることは外交政策の重点中の重点となっている。米印原子力協定発効後、インドは双方間の実質的な原子力協力を1日も早くスタートさせることを必要としている。この中には米国の民生用原子力技術を獲得し、国内のエネルギー供給不足の局面を緩和させる必要もあれば、自身の「事実上の核大国」としての地位を強化する必要もある。ここ数年、インドは世界で注目を集める役割を演じ、米国、イギリス、フランス、ロシア、中国の5つの核大国にしか席がない国連安保理常任理事国の仲間入りを切望している。核孤立からの脱却はこの方向へと重要な一歩を踏み出したものに違いない。

米国側から見れば、インドとの原子力協力問題についての考え方は、インドへの核輸出による経済利益から出た考えでもあれば、対印戦略関係と南アジアにおける地政学的地位を強化し、印中関係の発展をけん制することから出た多重的な考えでもある。まずは、反テロ新法案に対するインドの理解と協力を獲得することだ。オバマ氏が「パキスタン・アフガニスタン反テロ新戦略」を打ち出した後、パキスタンの戦略的地位が大幅に高められたが、これはインドの深い失望を招いた。クリントン長官は最初の訪問目的地をインド最大の都市ムンバイにし、わざわざテロリストの襲撃を受けたタージマハルホテルに泊まり、ホテルの受付で記念としてサインした。この細部はインドに強いシグナルを送った。つまり、米国はインドがテロリストの襲撃を受けたことに深い同情の意を表すということだ。その意図は明らかに、インド民衆からの好感を獲得し、米国に対する反対党の抵抗感を緩和させることにある。同時に、インドを説得してムンバイのテロ襲撃で途絶えた印パ間の和平プロセスを再開させ、兵力を集中してタリバンに打撃を与える軍事行動に投入することに有利に働く。指摘するに値するのは、クリントン長官は、米国の高官がインドを訪問した際には必ずパキスタンを訪問するという慣例を打ち破り、インドの自尊心を相当程度、満足させたことだ。

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