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原子力協力強化における印米の戦略

馬加力(中国現代国際関係研究院研究員)

7月21日、ヒラリー・クリントン米国務長官は5日間にわたるインド訪問を終えた。訪問期間中、米印双方は一連の共通認識に達したが、そのうち最も注目を集めたのは米国企業のインドにおける2カ所の原子力発電所建設に関する協定のことだ。

クリントン長官はオバマ政権誕生以来、インドを訪れた最高クラスの官員であり、今回の訪問は国際世論からの幅広い注目を浴びた。クリントン氏は早くも6月に行った演説の中で、「米印関係をビル・クリントン時代とブッシュ(2世)時代の『2.0版』から『3.0版』へとレベルアップさせる」と明言。このため、今回の訪印は米印関係が急激にグレードアップした重要なメルクマールとして広く見なされることになった。

クリントン長官とインドのマンモハン・シン首相の会談では、双方は一連の問題で幅広い共通認識に達した。総体的な関係の問題では、双方は「戦略的対話メカニズム」を構築し、戦略協力作業グループを通じて拡散防止、反テロ、軍事協力の問題を解決することで合意した。原子力技術分野では、インドがグジャラート州とアーンドラ州を原発建設の候補地として米国企業に提供することになったのは、両国がまもなく民生用原子力の面での実質的協力をスタートさせることを示すものだ。武器販売の問題では、先端兵器、とりわけ先進的な戦闘機の取引を実現させるために、双方は「エンド・ユーザー監視条項」について合意し、先端兵器が第三国や武器販売協定に言及されていない者の手に入ることを避けるため、米国が先端兵器を購入したエンド・ユーザーに監視を行うことを認めた。続いて、印米両国は戦略的対話メカニズムの構築に関する協定、エンド・ユーザー監視協定、科学技術協力協定の3つの協定を結んだ。

数年前、印米の間では原子力協力の問題について数回のラウンド交渉が行われてきた。2005年7月18日、印米は共同声明を発表し、民生用原子力分野における協力を全面的に回復させると宣言。06年3月、ブッシュ前大統領の訪印期間中、双方政府は次のような合意に達した。インドは軍用原子力施設を民生用原子力施設と分離させ、民生の部分を国際原子力機関(IAEA)の監督管理システムに組み入れることに同意し、米国は原子力技術と原子力材料を提供してインドを援助し、民生用原子力エネルギーを発展させることを望む、というものだ。07年8月3日、双方は「原子力平和利用協力協定」(通称「123協定」)を同時に発表した。

08年8月、45カ国の加盟国を有する原子力供給国グループ(NSG)は、インドが原子力技術と原子力材料を輸入する権利があるかどうかについて討議を行った。オーストリア、アイルランド、ニュージーランド、スイスが50項目余りの留保意見を提出したため、初回のラウンド交渉は結果が出ずに終了した。その後、米国とインドは緊急協議を行い、8月28日に協議草案の改訂を終えた。改訂案は異議のあった問題の大半にかかわるもので、とりわけ「原子燃料の濃縮とリサイクル技術」、「原子力取引とインド核実験とのつながり」といった敏感な問題について歩み寄りを進めた。マンモハン・シン首相とムカジー外相は異議を唱える国々に、態度を変えさせようとそれぞれ説得した。各国の疑いを消すため、ムカジー外相は交渉再開の前日に声明を発表し、「インドは自発的、一方的に核実験を一時停止させる」、「その他の国に敏感な技術を譲渡しない」と宣言。米国は異議を唱える国に強いシグナルを送り、「原子力協定をサポートするか、または、これまでの努力をむだにして、核不拡散メカニズムからインドを徹底的に退出させるか、だ」と公言した。

2008年9月6日、米国の大きな推進とインドの多方面にわたる説得工作のもと、NSGウィーン特別会議は「米印民生用原子力協力に関する声明」を採択し、インドへの制裁を解除し、インドに原子力技術と原子力材料を提供することを認可した。その後まもなく、米印原子力協力協定は米国の上・下両院の批准とブッシュ前大統領の署名を得て正式に発効し、インドとの原子力協力のための法的基礎を打ち立てた。

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