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中国の湿地 緑の“腎臓”を守り育てる

 

<法の整備>

最近、長い時間をかけて準備されてきた「湿地保護条例」のたたき台が関連部門の意見を求めて提出され、修正を待って国務院法制弁公室に送られる運びとなった。

国家林業局湿地保護管理センターによると、目下、中国の湿地は4つの大きな脅威に直面している。①開墾、開発などのために広範囲にわたって蚕食され、湿地の面積が減少、萎縮している②環境汚染、湿地の質の悪化、機能の減退が生じている③生物の多様性が低下している④泥砂が堆積し、水土の流失が生じている、という4つの問題だ。『法制日報』紙の韓楽悟氏は「これら諸々の脅威が湿地に明らかな“新たな痛み”を与えるというのであれば、それは実質的には湿地にもう1つの“潜在的な痛み”が隠れているということだ。つまり、保護、管理するうえでの法整備が遅れ、関連法制度が明らかに空白になっていることだ」と言う。また、国のラムサール条約約束履行弁公室調査計画処の鮑達明処長は、法整備の遅れによって築かれるべき多くの湿地保護管理制度が築かれずにいる、と指摘する。実は、これは湿地に対する認識にも関わっている。「“湿地”とは何ぞや」、この表面的には「簡単な」概念が長期間の議論の焦点となっており、「そこに映し出されているのは、まさに部門間の共同歩調の難しさ」だと、ある専門家は直言する。

「湿地の自然の属性と管理面での属性から言えば、世界も中国もその保護管理には多くの部門の協力が必要」と語る鮑処長は、もし湿地保護の関連部門の間で協力が成り立たず、統一された目標のもとに湿地生態系に対する保護が進められないなら、たとえ一つの資源に関する法執行がうまくいったとしても、最終的には湿地生態系の総合的機能に対する保護という目的は達成できないだろう、と言う。

ここ数年、各地方における湿地保護の法整備は大きく進展している。現在、黒竜江、遼寧、内蒙古、湖南、広東、陝西、甘粛、寧夏の8つの省・自治区ですでに湿地に関する立法が終わり、その他のほとんどの省でも立法に向けた調査・研究と起草の作業が行われているところだ。そして、この8つの省・自治区は、中国の国土面積の30%をカバーしている。各地方によって湿地のタイプが異なり、湿地保護が直面している主な問題もそれぞれ異なっているため、各地方が湿地保護の法整備にあたって打ち出す制度や措置、管理手順などもすべてが同じというわけではないのが現状だ。

「北京週報日本語版」 2009年8月14日

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