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五台山世界遺産入りの啓発的意義

本誌記者   張 志萍

6月末にスペインのセビリアで行われた第33回世界遺産委員会会議で、中国の五台山が世界遺産の登録に成功、中国の38番目の世界遺産となった。

中国中部の山西省忻州(きんしゅう)市にある五台山は、中国四大仏教名山の第一山であるとともに世界五大仏教聖地の一つでもある。4世紀ごろからこれまで、歴代王朝の寺院建造物が47カ所に保存、7王朝にわたる彩色塑像と5王朝にわたる壁画が残されており、建築、彫刻・塑像、経書、音楽など、さまざまな中国古代芸術の粋を集めたところだ。

ここ数年、中国では各地で世界遺産への申請熱が高まっている。だが、世界遺産に申請する国と項目が多くなればなるほど、世界遺産委員会はその申請項目に対していっそう厳しい要求を出してきている。

計画から申請まで10年の道のりを経て、やっと五台山は登録に成功した。初めのころは商業的利益が優先され、長い目で見た有効的な管理手法に欠けていたため、ゆき過ぎた開発によって破壊されたこともあり、「清らかな仏国」から「賑やかな高山」へと変わってしまった五台山。だが、喜ぶべきことに、反省と意識変革を通して現地政府は莫大な人力と物資、財力を投じ、五台山の自然、人文景観を壊していた好き放題に建てられた建物を解体、整備し、五台山に静けさを取り戻したのである。

まさに専門家が総括したように、五台山は自然の景観と仏教文化が融け合い、仏への尊崇が典型的な形で自然への崇拝の中に結実したもので、天と人が一体となるという中国の「天人合一」の哲学思想を見事に体現し、1600年余り続いた仏教信仰の中心、独特で生命力あふれる複合的な文化景観となったのだ。こうして五台山は最終的には文化遺産として登録された。

中国は古代文明の発祥地であり、当然ながら文化遺産大国でもある。しかし、近年は少なからぬ文化遺跡が経済的利益を追求するあまり、ゆき過ぎた開発によって本来の素顔と文化的な価値が破壊されるという現象が生じていた。五台山が世界遺産の登録に成功したことは、中国の各地方政府と文化管理者にとって深刻な啓発的意義を持つことである。自然、人文景観を扱うにあたって、とりわけ二度と再生することのできない歴史遺産の扱いにおいては、健全で科学的な開発と保護、監視・管理メカニズムを打ち立てる必要がある。世界遺産基準を運用することによって自らの行為を律し、制約することで、貴重な文化遺産を、子孫の幸福、人類の幸福をもたらすものとしなければならない。

「北京週報日本語版」 2009年8月12日

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