にっちもさっちもいかない対外貿易政策
経済成長を牽引する「トロイカ」のなかで、対外貿易はずっと主要な動力であった。しかし現在の厳しい情勢のもとで、対外貿易政策は苦境に陥っているようだ。
中国国際貿易促進委員会経済情報部の孫俊研究員によると、8%の経済成長率のうち、消費と投資の貢献度を差し引くと、輸出の貢献度は少なくとも10%に達することが求められ、経済成長率を少なくとも0.8ポイントけん引することが求められるという。
しかし、「上半期の経済成長への輸出の貢献度はマイナス41%で、GDP成長率を2.9ポイント押し下げている」という現実に直面して、輸出の貢献度を少なくとも10%にし、経済成長率を少なくとも0.8ポイントけん引するという目標の実現は難しいようだ。この目標の実現には下半期に輸出が少なくとも上半期より倍増することが求められるからである。
輸出が困難な情勢のもとで、成長を保つため、中国は貿易政策をどのように調整するのか。
最近の商務部の政策から見れば、世界貿易に対する商務部の基本的な姿勢は自由貿易を提唱し、保護貿易主義に反対することであり、講じられる措置は輸出志向型のもので、政策の調整を通じて中国製品の輸出促進に努めていることがわかる。「しかし、これらの政策の効果は顕著ではない」と孫研究員は言う。
同研究員によると、現在の中国の貿易政策はにっちもさっちもいかない境地にあり、自由貿易の姿勢を維持するとともに、他国が市場を閉鎖しないように求めることで、中国製品の輸出空間を得なければならない、という。また、現実的な市場萎縮と世界的な保護貿易主義台頭のリスクに直面し、貿易黒字の縮小が経済成長に与えるマイナス影響に直面しているという。
「北京週報日本語版」2009年8月7日 |