対外貿易に影響する三つの不利な要因
国家発展改革委員会対外経済研究所国際貿易研究室の陳長纓副主任は下半期の中国の輸出情勢に対しても楽観視していない。陳副主任は、三つの不利な要因が下半期の中国の対外貿易発展に影響を与えるとの考えを示した上で、次のように語った。
「第一に、中国の対外貿易は外需の影響を受けるということだ。世界経済、特に発達した経済体の回復の基礎はまだ不安定なため、経済回復のスピードとレベルが不確定であるうえ、2回目の底打ちになる可能性がまだある。外需の回復が遅れるか、揺れ動きが発生すれば、中国の輸出は大きな外部圧力に直面することになるだろう。」
「第二に、中国政府は過去半年間に連続して一部製品の輸出税還付率を引き上げ、加工貿易の制限・禁止商品リストを再調整し、人民元の対ドル為替レートを基本的に安定させ、輸出企業への貸し付け面のサポートに力を入れたため、今年上半期における輸出の急減防止に積極的な役割を果たした、ということがある。下半期にはこれらの政策が輸出を安定させる面で引き続きより大きな役割を果たすことになるだろう。しかし、過去と比べて(たとえばアジア金融危機当時と比べて)、上述の政策の最終的効果は小さいうえ、代価が大きい。」
「第三に、保護貿易主義が輸出拡大の難度を高めるだろうということ。世界的に保護貿易主義が激化する背景のもとで、中国は世界第三位の貿易経済体、第二位の輸出国として、国際貿易紛争の主要な標的になっている。下半期には中国をターゲットにした保護貿易主義が引き続き高いレベルで続くであろうと予測されている。このほか、過去の一時期に行われた一部の調査が裁決段階に入り、中国の関連輸出は実質的な影響を受けるだろう。」
「上述の要因にかんがみ、われわれは、中国の2009年の年間輸出額は1億2600万ドル前後で、前年比12%低下すると見ており、今年の輸出は中国の経済成長にマイナスの役割を果たすことになると予測している。」
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