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米ロは核の安全の責任をより多く引き受けるべき

 

米ロの妥協達成が双方の利益に必要

米ロ関係には多くの課題が山積しており、双方はその重荷を担いきれないと感じている。双方は相手がまだ冷戦時代にあると非難しながらも、双方とも二国間関係の改善を期待している。そして、米ロの攻撃型戦略核兵器の削減は目前に迫っており、必然的な趨勢にある。合意の達成は双方の利益にとって必要とされている。

まずは米国自身の必要性だ。1990年代初めから、米国は積極的な核拡散防止政策を軍縮政策と結び付け、国際社会が「核不拡散条約」(NPT)を無期限に延期させるよう促すと同時に、国連の多国間核軍縮の枠組みのもとで、全ての国が「核実験全面禁止条約」に調印し、加入するよう進めてきた。その理由の第1は、ソ連崩壊後、米ソの大規模な核対抗を基礎に米国が確立した厖大な核軍備を引き続き維持する必要がなくなったことだ。米国にとって、戦略的バランスを基礎に戦略核兵器を削減することは、もはや米国が保有する核戦略の優勢を脅かすことではなくなったのだ。米ロ間の戦略核兵器のさらなる削減プロセスは、米国が核超大国としての地位を保ち、米ロ間に新たな核軍備競争が発生するのを防ぐのに有利であり、また他国の核戦力を抑制するのにも有利である。理由の第2は、冷戦後、核拡散は冷戦時期よりもさらに厳しくなり、米国の戦略的利益に衝撃と試練をもたらしていることだ。核拡散防止は米国の軍縮と安全政策の重要な目標となっている。米国が核兵器分野で直面した試練は、世界規模での大規模破壊兵器とその技術の拡散を防止する方向へと米国を転換させた。

次にロシアにとっての必要性は、戦略核兵器のさらなる削減がロシア政府の財政負担の軽減にとってともかく好ましいということだ。1990年代以降、ロシアは世界軍縮フォーラムで核拡散防止と核実験禁止を主張し、サポートしてきた。1990年10月24日、旧ソ連はノヴァヤゼムリャで90年代以来初の核実験を行ったが、翌年1月12日に、当年の最初の4カ月は核実験を一時停止することを決めるとともに、カザフスタンにあるセミパラチンスクの核実験場の閉鎖を決めた。ソ連崩壊後、ロシアは旧ソ連から数百回にわたる核実験の経験を受け継ぎ、核戦力の現況であろうと、核技術であろうと、世界一の核大国としての地位をしっかり保っていたが、同時に経済の問題が核技術と核戦力を更新する力を失わせた。ロシアは核実験禁止によってロ米間の安全協力を引き続き進めるよう望む一方、これによって各国の核武器の発展レベルを凍結させ、その核大国としての地位を引き続き保つことも期待している。ロシアは核実験の一時停止を何度も延期するとともに、それを守ってきた。ロシアはまた、米国がジュネーブ軍縮会議の核実験禁止における多国間交渉に参加するよう促し続けた。

2000年4月14日、ロシア連邦議会は「第2次戦略兵器削減条約」(STARTⅡ)を批准したが、ロシア外務省と国防省の提案によって補充条件を添付しただけであり、これは米国との後日の交渉に備えたものだった。ロシア連邦議会は米国が米本土ミサイル防御システム(NMD)を配備しないことを条約発効の条件とした。プーチン氏も条約が連邦議会で採択された翌日に、「米国側がロシアにならって果たすべき義務を履行することがないなら、ロシアは2007年の最終期限が切れるまで、いかなる核兵器も解体しないし、廃棄しない」と警告した。プーチン氏はまた、「米国が1972年に締結された『核不拡散条約』を守らないなら、ロシアはすべての核兵器と従来型兵器の削減条約から撤退する」と強調。

米国の新聞は、オバマ大統領は今回の会談で米ロ関係を変えられなかった、と評したが、年内には戦略兵器削減の新協定を結ぶことができるのではないかと思う。両元首ともモスクワの新協定を「核のない世界」構築の具体的表現と見ており、それこそが双方の利益の合流点であり、自国のイメージアップを図る必要があると考えている。ロ米が最大の核兵器保有国として率先して合意に達するようなことがあるなら、続けてより多くの核保有国が交渉を進め、核のない世界を構築するという目標は期待できるものになりそうだ。

当然ながら、21世紀における国際新秩序を構築するには、覇権主義反対と実力の均衡という角度から見れば、実力の対比を基礎とし、各国のハードパワーとソフトパワーの変化を含む相互作用プロセスが必要とされている。当面の世界情勢にはすでに大きな変化が生じている。各国が安全問題で今のように相互に依存することはこれまでなく、とりわけ大国間にはそのことが言える。21世紀の国際新秩序を構築するには、国際関係の基本的ルールを指針とし、国際法のルールを指針とする国際体制を確立する必要があるとともに、各国の指導者が理性的な思考によって自国の安全と外交行動を指導・計画する必要もある。いずれにせよ、オバマ氏の訪ロは歓迎に値するものだ。

「北京週報日本語版」2009年7月24日

 

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