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「本部経済」をめぐる争い

 

本部経済がもたらすオフィスビル、不動産などへの投資が都市の成長に果たす貢献は非常に大きい。なぜなら、高品質のオフィスビルのニーズを支えているからだ。

北京市政府の資料によれば、この数年、北京の高級オフィスビルの空き室率は基本点に緩やかに低下する曲線を描いており、供給量は十分ではないものの、ニーズは非常に旺盛である。空き室率が低下し続けているのは、賃料と販売指数がいずれも上昇傾向にあるからだ。多国籍企業の本部が集中する北京の東第二環状線では、年間賃料の上昇幅が北京市の平均よりずっと大きく、最高で15%と、平均レベルの2倍に達している。

本部経済は都市にとって「消費連動効果」があり、本部のビジネス活動や研究開発がもたらす様々な関連する消費、また住宅や交通、子女の教育、健康、ショッピングなど高級ホワイトカラーの個人消費などは都市経済の発展を推進する上で重要な役割を果たしている。

本部経済が発展すれば、さらに所在地の知的人材を十分に活用できるほか、高い知力を必要とする多くのポストをもたらすと同時に、知的サービスや一般サービス業といった第3次産業の発展を促すことで、より多くの就業の機会が提供される。

趙弘主任は「より重要なのは、本部経済がもたらす『社会資本効果』だ。一つの地域に多くの企業本部が集まっていることは、その地域がビジネス環境や総合的な環境で強みを持ち、目に見えない形でその地域の知名度、信用度や国際的な地位を向上させ、その地域の不動産価値の上昇も促されていることを物語っている。同時に、本部経済は知的人材の育成と集中、多元的な文化の融合と相互作用、またその都市の国際化を加速させてくれる」と強調。

また趙弘主任は「これがまさに多くの都市が『本部経済』カードを打ち出している理由だ。彼らは多国籍企業が本部を設立するよう引きつけようとあれこれ知恵を絞り、多くの魅力ある政策を打ち出してはいる。北京市もその一つだ」と指摘する。

政策の魅力は吸引力を備えず

だが、非常に魅力的な政策を打ち出しても多国籍企業がその地に本部を設立するよう引きつけられるわけではない。趙主任は「都市が本部経済を発展させるには、強みを備えていることが肝要だ」と強調する。

第1の条件は、その都市が質の高い人材と科学研究・教育資源を有し、企業本部に比較的低コストで知識集約型の価値ある活動を創造させることができることだ。また、地位的な強みと交通輸送ネットが整備されていることが必要だと言う。

「北京と上海にはニューヨーク、香港、シンガポールと同様、優れた地位的な強み、極めて豊かな科学研究・教育資源を持ち、インフラも整備されているので、多くのグループ企業の本部を引きつけるのに必要な管理者、技術者を呼び込むのに有利である。これが発展した本部経済が備える特別の条件だ」

さらに趙主任は「本部経済を発展させるには、都市建設などハード面で比較的高い基準に達しているほか、都市の管理や文化的雰囲気といったソフトの面でも優れた資質を備えていることが必要である。本部経済を発展させるには、現代的な都市管理にふさわしい制度を備え、都市の政策決定の面でも一流の投資環境を確立して、都市の総合運営コストを最善にする努力が欠かせない。また政府のサービスの効率を絶えず高め、法律や法規面から国際的に通じるルールとリンクさせる。さらに政府の事務効率を高め、政府の透明度を高めて、投資家のために優れた法的環境を創造しなければならない」と指摘。

同時に、都市の社会サービスシステム、市場秩序、通関秩序、信用システム、社会治安の状況、都市の文明度などでもかなり高いレベルに達していなければならない。しかも本部経済を発展させるには、その都市を世界各国の優れた文化の「溶鉱炉」にすることが必要だ。寛容性のある多元化された文化、多元化された夢のある都市、という性格がまさに本部経済を発展させる上で必須条件となる。

国際化の程度が高く、企業本部への吸引力の強い都市について、趙主任は「サービス業がGDPに占める比重はいずれも70%以上で、例えば香港は82%達している。高度に発達したサービス業、一貫性のある競争奨励制度、完備したサービス業発展戦略が、都市の経済効率と経済戦略を高めるための必然的な選択であり、本部経済を発展させるための重要な条件の1つでもある」と強調する。

「サービス型経済」が本部経済発展を促進

趙主任は「北京市ではサービス型経済が強まるに伴い、本部経済発展の面でも競争力がより強まってきたようだ」と指摘。

北京では改革開放30年の発展を経て、08年の1人平均GDPは9000ドルを突破した。国際的に見れば、平均GDPが6000ドルを超えたことは中等国以上のレベルに達したことを意味しており、じきに高収入国・地域へと邁進することになる。先進国は経済台頭の過程では基本的に、「軽工業の段階-重化学工業化の段階-サービス業の段階」という発展方法に基づいてきた。北京では9000ドルを超えた後に経済は急速な転換期を迎え、サービス経済が首都経済の発展を後押しする主要な力となるだろう。これがまさに本部経済の発展にとって必須となる。多国籍企業が都市に本部を設立する際に先ず考慮するのは、その都市のサービス能力と経済面での輻射・影響力だからだ。

北京市では金融、ソフトといった基幹サービス業が絶えず成長している。情報サービスやイノベーション産業、電子ビジネスといいった新業態のサービス業が急速に発展しており、ハイエンドで高効率、高輻射力の産業が経済発展に占める役割はより突出してきた。また北京は中国の首都であり、国際的な影響力もその他の都市より高い。

趙主任は「北京や上海などの都市は多国籍企業の本部が集まる都市になるだろうが、その他の都市について言えば、国内企業を引きつけて本部を設立させるのがより理想的な選択だ」と強調する。

「北京週報日本語版」 2009年7月15日

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