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◇まほらまの南京生活⑦◇(~ウェンナン先生行状記~)

南京大学日本語学部専家 斎藤文男

◇羽毛が揃えば小鳥は必ず巣立つ◇

今年も6月末までに、23人の学生が4年間の大学生活を終えて巣立って行った。行き先は、中国国内の企業や各政府機関、北京の大学院に進学、あるいは日本に留学、日本の大学院生などさまざまである。毎年この時期は、別れの寂しさと、夢と希望を失わず逞しく育ってほしいとの願いがない交ぜになる。羽毛が生え揃えば小鳥は必ず巣立つものだが、全員が元気で大空を滑空してほしいと思いながら、例年この時季は、学生との触れ合いを反芻する。

◇自らの選択に戸惑う◇

毎年9月、4年生の前期授業が始まると間もなく、卒論指導を担当する学生が決まる。指導する学生は2、3人だが、時には4、5人のときもあった。学生にとって卒論は4年間の授業の総仕上げともいえる。これまで学んだ知識と経験を総動員して、興味あるテーマを決め、資料を集め分析し、論述を展開して結論を引き出す。

まず、卒論のテーマを決めることが難しいようだ。3年生の「写作」の授業では、毎回テーマが出題される。私がこれまで出題したテーマの主なものは、「5分間目を閉じて気がついたこと」「このごろ、ちょっと気になること」「春節で発見したこと」「私の失敗」「人はなぜ宇宙へ行くのか」「地球の真ん中の国はどこか」「蠅」「空」「色」「道」「零」などである。

具体的なテーマは比較的書きやすいようだ。「5分間目を閉じて気がついたこと」には、それぞれユニークな発見があった。

「5分間目を閉じたらまったく別な世界になった。そして、再び目を開けてもとの世界に戻ったとき、まるでもう一つの世界に来たような気がした。

「授業や生活で慌しく過ぎて行く毎日の中で、目を閉じただけで、世間の束縛から脱出できるし、自分の枠からも跳びだせる。」

「芝生で目を閉じると、野鳥の澄んださえずり、風が梢を渡る音、落ち葉が地面を転がる音まで聞こえてきた。目で見ていたときは、これらの音を無視していたかもしれないことに気がついた。」

しかし、テーマが一字の抽象的なものは苦手のようだ。

「『写作』の宿題で嫌いな『蠅』がテーマになった。何を書いたらよいのか分からない。寝るときも考えていたら、夢の中に蠅がたくさん出てきて困った」

嫌いなものについて書かなければならない苦い体験を書いた秀作だ。他の多くの内容は、一般的なものばかりだった。「空」は、何も無い「からっぽ」や「宇宙」と考えてもよい、とアドバイスした。「道」も「道路」や「人生の道」でも「茶道」「剣道」「空手道」などの「道」ととらえることもできる、としたが、自分で何を選択したらよいのか戸惑う学生が多かった。

キャプション

1、毎年、羽毛が生え揃った学生たちが母校を巣立つ(創立100年目の卒業記念写真)

2、南京大学を訪れた日本の「紫金草合唱団」との交流も楽しい思い出のひとコマだ

3、青春時代の思い出多い母校の前で卒業記念写真を撮る院生

4、ガールフレンドに撮ってもらう修士号獲得の記念写真は喜びもひとしお

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