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◇江南の春に胡蝶舞う◇

 

南京大学日本語学部専家・斎藤文男

◇年年歳歳蝶また花に同じ◇

 千里鶯啼いて緑紅に映ずる“江南の春”。南京市郊外にある紫金山(標高448㍍)では、今年もまた、春に先駆けて中華虎鳳蝶(チュウゴクギフチョウ)が羽化した。後を追うように橙翅襟粉蝶(テンモクザンクモマツマキチョウ)も出現して木立の中を飛び回る。春を代表するこの2種類の蝶は、草地に咲いた山慈姑(アマナ)や二月蘭(紫金草)、ときにはサクラの花で吸蜜する。それぞれの伴侶と交配したあと、子供たちの幼虫が食べる食草に産卵して、種の維持を次世代に託する。地球上に人類が誕生するはるか以前から、年々繰り返されてきた江南の地で季節を彩る花の移ろいと胡蝶たちの生活の営みだ。「年年歳歳花相似たり 歳歳年年人同じからず」と詠われたが、「歳歳年年蝶また花に同じ」江南の春の装いである。

 温暖化の影響か今年の江南地方は暖冬となり、紫金山では例年より1カ月も早い1月31日に中華虎鳳蝶が羽化した。例年なら2月下旬から3月にかけて、次々に羽化する。交配して食草に産卵したあと2、3週間あまりの短い成虫の時期を終える。卵は孵化して食草を食べながら4回衣装を変えて脱皮したあと蛹になる。蛹は夏から秋、冬と約10カ月間、枯葉の下などでじっとして翌年の春になるのを待っている。年間に2、3回も世代を繰り返すアゲハチョウの種類もある中で、中華虎鳳蝶は1年に1回だけしか羽化しない貴重な蝶だ。

1、枯葉の下から羽化したばかりの中華虎鳳蝶

2、食草の葉の裏側に産み付けられた中華虎鳳蝶の卵。2頭が同じ葉に産んだらしい。20個が孵化して食草は足りるのだろうか。来春、全員が無事に羽化できることを祈って期待するしかなかった

3、ダイダイ色の翅を見せつけ、野ばらで吸蜜する橙翅襟粉蝶

4、哲学者然として、紫金草の花で一休みする橙翅襟粉蝶

5、成虫で越冬し、枯葉の上で翅をいっぱいに広げ、春の日差しの中で一休みするルリタテハ

6、カラタチの枝で蛹になり、間もなく羽化するジャコウアゲハの蛹。自分の食草ではなく、同じアゲハチョウの別な仲間の食草で蛹になっているのが面白い

 

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