中国人に余りに多くの悲しみや感傷を感じさせる円明園、その園内から流出した2点の文化財がまもなく異国でオークションにかけられるため、再び国内世論が関心を寄せる焦点となっている。
外交部、国家文物局などの政府部門はオークションに反対するとの態度を明確に表明し、劉洋さんをはじめとする民間弁護士団も売り手に対して弁護士の書簡と弁護士の声明文を提出したが、売り主であるクリスティーズフランス社は依然としてオークションの計画を堅持しようとしている。
これに対し、中国外交部の姜瑜報道官は12日、外交部の定例記者会見で、次のように記者の質問に答えた。
円明園のウサギやネズミの頭部銅像はアヘン戦争の期間に英仏連合軍に略奪されたもので、長い間、海外に流出していた貴重な文化財である。中国はこれらの文化財に対して疑う余地もなく所有権があり、これらの文化財は中国に返還されるべきだ。
誰が中国を「収集」しているのか
ウサギの頭部銅像
ウサギとネズミの頭部銅像は円明園にあった12支銅像の中の2点で、1860年に英仏連合軍が円明園を強奪した際に、12支の動物銅像がなくなり、現在までのところ、5点しか国内に返還されていない。
実のところ、円明園の獣首の銅像は、海外に流失した中国文化財の1つの縮図にすぎない。国連ユネスコのおおまかな統計によると、世界47カ国の200余りの博物館が収蔵する中国の文化財は164万点で、民間で収集されているものも含めると、海外に流失した中国の文化財の総計は少なくとも1700万点以上となり、中国国内の博物館収蔵品の総量をはるかに超えている。
著名な文物専門家で中国文物学会名誉会長を務める謝辰生氏によると、海外に流失したこれらの貴重な文化財の多くは、近代中国において西洋の列強およびいわゆる 「探検家」に武力、不平等な取引、盗掘、ペテン、密輸などの不正な手段で海外に略奪されたものである。
ネズミの頭部銅像
謝辰生氏は、「流失した貴重な文化財については、取り戻すことさえできれば、必ずこれを取り戻さなければならない。普通の文化財については、状況を見て決めるべきで、国外に残っていても中華文化を伝える役割を果たすことができるものも一部にあるだろう。不法に海外に流出した文化財に対しては、あくまで買うことはできないと思う。さもなければ、その合法性を承認したことに等しくなる」と語った。
国家文物局博物館司の宋新潮司長は先日、「国家文物局は中国のお金で中国のものを“買い戻す”ことには反対だし、オークションにはなおさら賛成しない。国際条約に基づいて道義的にこれを呼びかけると同時に、相応の補償を通じて、返礼方式で文化財を取り戻すとともに、基金会や個人による寄贈方式による文化財の返還を奨励する」と表明した。
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