現在、仕事を失った農民工は、進むのも退くのも難しいところに立っている。というのは、都市での就職が難しい上、生活保障が足りない一方、帰郷したら都市化と工業化によって耕地が減っているうえ、農村での生活にはもうなじめなくなっており、退路の見通しも暗いからだ。
経済力が不足し、社会保障も欠けている中、都市と農村の間を流動し苦労を余儀なくされる農民工たちがリスク抵抗力の低い弱者層であることは明らかだ。
農民工も社会の財産
農民工の直面している失業リスクについて、中国政府は早くから注意を払い、調査・研究を重ねた上で、一連の対策を講じた。
今年2月1日、中国共産党中央委員会・国務院は農業の安定発展促進、農民所得の持続的増加を主旨とする今年の第1号文書を発表した。これは04年以来「三農」(農業、農村、農民)問題に関する中国政府の出した6番目の第1号文書だ。
同日、中国人力資源・社会保障部などの3部・委員会は共同で「職業訓練特別計画」を公表した。この計画では、農民工を含むすべての失業者に対し、政府が無料かつ平等な職業訓練を提供するとしている。
中国政府はすでに農民工の就業促進に関する6大政策を打ち出し、各地方政府も相応の政策・措置を制定した。 江西省労働・社会保障庁は、失業状況のコントロールと警報の範囲を拡大し、帰郷農民工の失業登録制を実行し、コントロール状況の早期予報を展開し、条件に合った失業農民工に対し、失業保険基金から1回限りの生活補助金を支給することにしている。
2月2日、江蘇省無錫市で農民工の就労を援助する「春風行動」が始動した。地元で求職する農民工は「春風カード」を発給され、それを持って無料の就職サービスを享受し、職業訓練と創業訓練を受けることができるという。
「北京週報日本語版」2009年2月11日 |