普通のサングラスは色が固定していて変化しないうえ、多くのものは偏光機能がない。その色は一般的には薄いか濃いかの2種類で、色の薄いものは可視光線通過率(透明度)が40-80%とまちまちで、色の濃いものは強い光を効果的にカットできるが、可視光線通過率はわずか10-30%だ。あまりにも色の濃いメガネは目を暗い環境に置くことになるため、自動的に瞳孔が拡大し、この状態が長く続けば緑内障などの眼病を発症しやすくなる。スマートサングラスは色の濃淡とは関係なく、スマートチップという先進的な技術に頼っており、即座に色が変わる能力を具えている。その反応時間は1.5ミリ秒で、各種の複雑な光線変化に十分対応でき、外部の光線環境の変化に応じて速やかにレンズの透過率を調整する。また、良質な偏光レンズが物体の結像をいっそう和らげ、色彩がより豊かになり、眩しさや乱反射光がもたらす目の疲れを緩和する。従来のサングラスがレンズ面の塗料を通して光度を調節していた技術とは異なり、スマートサングラスが採用しているのはチップの埋め込みと液晶素材のレンズを組み合わせた方法だ。これはディスプレイに似た特性を数多く具えており、環境光線の光度の違いに基づき、電圧を変えることでレンズの濃さを変化させ、レンズを変色させることを実現した。外の光度が増したときにはレンズの色が濃くなり透光率が下がり、外の光度が弱くなったときにはレンズの色が薄く変わり透光率も上がる。チップのセンサーが調節することによって液晶レンズの光の濃淡調節は正確さを増すとともに反応スピードも上がり、従来のサングラスに存在した多くの問題を解決した。
すべてのサングラスが車のドライバー用として適しているわけではない。市場に出回っているサングラスの中には、異なる色の信号を識別する能力が具わっていないものも多くある。だが、スマートサングラスは違う。車が暗いトンネルをくぐるときにはドライバーの目は瞬時にその暗さに適応しにくいが、スマートサングラスをかけることによって、こうした日常によく見られる些細な問題ももはや問題ではなくなり、車両通行にいっそう高い安全性をもたらすのだ。
スマートサングラス技術の発明は、人工知能によって太陽光線をカットするという新興産業にまで広がっていく見込みがあり、自動車、ビル、住宅、空港、港などの窓やガラスカーテンウォールなどに使うこともでき、今後の応用範囲は極めて広いと専門家は見ている。
「北京週報日本語版」 2009年2月5日 |