イネの秘密に迫る「ショットガン」
ゲノムマップを解析する中で、各国の科学者たちはそれぞれ異なるシーケンシングと分析の方法を採用した。中国人が秈米(センマイ)のゲノムのワーキングドラフトを作成する過程で採用したのは、「ホールゲノムショットガン法」、別名「榴散弾法」と呼ばれる方法だった。
「ショットガン法」は最初、主に微生物のゲノム配列のシーケンスに用いられた。最近ではこれを改良した方法で、アメリカ企業がショウジョウバエとヒトのゲノムのシーケンシングを完了させ、ゲノムシーケンスにおけるこの方法の実行可能性と有効性を証明した。
単純化して言えば、この方法は、完全な画面をバラバラのかけらに分けた後、改めてつなぎ合わせて復元させる「ジグソーパズル」のようなものだ。まず、全ゲノムをランダムな断片に切断し、そのあと切り分けた1つ1つの断片の配列を解読、最後にコンピュータを使ってこれらの断片を並べ替え、つなぎ合わせるとともに、ゲノムの中でのそれらの正確な位置を確定するのである。その長所は短時間で解読ができ、簡単で、比較的低コストですむことだ。だが、この方法でのシーケンシングは、最終段階の並べ替えとその結果のつなぎ合わせがそれほど簡単ではない。しかし、中国の科学者は配列をつなぎ合わせるソフトウェアを設計し、独特の計算方法を採用して、イネゲノムの約40%を占める重複した配列を識別し一時的に遮断した。こうすることで計算量を減らすことができるばかりか、つなぎ合わせミスの可能性を最大限低くすることができた。「中国の科学者は“ショットガンシーケンス”に関わる速度と効率の面でとても素晴らしい模範事例を提供してくれた」と米パデュー大学の植物遺伝学の同業専門家は褒め称えた。
「北京週報日本語版」 2009年2月1日
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