本誌記者 唐 元愷
生命の“自伝”にかかわる“天の書”が科学者たちによって解読されている。1年間の分析、記録と厳しい審査を経て、世界初の黄色人種、中国人、アジア人のゲノムマップが08年末の国際的学術誌「ネイチャー」に発表された。
実際には07年10月に完成したこのゲノムマップは、深圳華大遺伝子研究院および生物情報システム国家工程研究センター、中国科学院北京ゲノム研究所の研究者らが共同で制作したものだ。これは、中国が世界的な「ヒトゲノム計画」の1%、ヒトのハプロタイプの10%を解明するという任務を負ったあと、単独で完成させた100%の(黄色人種の)ゲノムマップである。
「ゲノム」とは生物体内の遺伝子が持つ情報のあらゆる組み合わせである。人に限って言えば、遺伝子は人の生老病死や身長、体重、皮膚の色などを決定し、さまざまな疾病に関係している。人の体内には100兆個の細胞があり、それぞれの細胞の中には細胞核があり、さらにそれぞれの細胞核の中には23対の「デオキシリボ核酸」(DNA)という化学物質から成る鎖状のもの、すなわち染色体がある。DNA分子は炭素、酸素、イオウ、リン、水素の5種類の異なる元素が組み合わさっており、生命活動にかかわる人体の構成に必要なさまざまな情報が23対の染色体の上に納められている。そこにはおよそ数万個の遺伝子が存在しており、それらおよびそれらの間のDNA断片がヒトゲノムを構成している。これは、生命の歴史が記載されたものであると同時に、具体的な生命の設計図であり、肉体を建造し、使用する説明書でもあり、成長、発育、代謝、行為を企画し実施するものでもある。このため、生命の奥義や遺伝の一定の法則を徹底的に解明しようとするなら、どうしてもDNA分子の「言葉」を解読する必要があるのだ。

2007年10月11日、中国人の初めての完全なゲノムマップが完成した。
写真は第9回国際ハイテク・新技術成果交易会の席で発表された
中国人のゲノムマップを前に説明する係員
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