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任重く道のり遠い、中国式老後

 

盛んになりつつある地域コミュニティでの在宅介護

全国老齢工作委員会弁公室が発表した中国都市部の在宅介護サービスに関する研究報告によると、ほとんどの老人がさまざまな理由から自宅で老後を過ごすことを望んでいる。この報告書は、都市における独居老人の比率がすでに49.7%に達しており、85%以上の老人が在宅介護サービスを希望している、としている。

こうした状況のもとで、新しいタイプの介護モデルが一部の都市でスタートしている。それは地域コミュニティによる介護だ。北京市西城区の陳蓓副区長は、これについて「自宅のベッドにサービスを送り届けるもの」と説明する。老人は自宅にいながらにして、地域コミュニティの訪問サービスを受けられるというわけだ。

07年5月に設立された宣武区の広外街道コミュニティ在宅介護サービスセンターは、コミュニティ内の老人が毎月50元から300元の会費を払うことで、食事や掃除、通院付き添い、薬の受け取りなどに関わる一連のサービスを提供されるものだ。収入もなく子どももいなくて生活に困窮している独居老人に対しては、「政府がサービスを購入する」という形で役所の出張所が統一して会費を納めている。

ここで暮らす範紅枝さん(73歳)は、自分で動くことができないうえ、子どもが身近にいないため、主にお手伝いさんに頼って生活してきた。去年、そのお手伝いさんが帰郷してしまい、範さんは新しいお手伝いさんに不安があった。ちょうどそんな時にコミュニティサービスセンターが設立され、彼女はここの第1陣の会員となった。「ここのサービスがあることで気持ちが落ち着いた。費用も高くないし、助けてほしいことがあれば電話1本で来てくれる」と範さんは言う。

北京では広外街道コミュニティサービスセンターのような組織はほかにも数多くある。北京市民政局は、今後3年間で70%のコミュニティで在宅介護サービスの組織が設立される見込みで、生活サービスネット、医療保健ネット、緊急救助ネットが築かれ、良質で廉価な在宅介護サービスを老人に提供していくことになる、としている。

コミュニティによる在宅介護の推進強化のため、08年2月末、全国老齢工作委員会弁公室と労働保障部、衛生部など10の部門・委員会が合同で制定した『在宅老人介護サービス活動の全面的推進に関する意見』が正式に公布、実施され、第11次五カ年計画期(2006-2010年)に在宅介護サービスのネットワークを都市で全面的に実施することを提起した。

在宅介護が中国のお年寄りたちの願いにいっそう叶ったモデルであることは、長い年月の実践を通して明らかになるだろう、とある専門家は指摘している。中国の老人らは長い間住み慣れた家や地域コミュニティを離れたがらず、家族や隣近所の人々との密接な関係を保ちやすい自宅に住むことを望んでいる。社会的視点から見ても在宅介護には、低投資、低コスト、広範囲のサービス、大きい収益性、低価格の介護費、即効性などの特徴があり、介護施設のサービス圧力を軽減し、社会資源を効果的に節約することができる。

「北京週報日本語版」 2009年1月21日

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