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 農村改革のもう1つの一里塚
第17期三中全会公報を専門家が解説

 

三、 今後の農村改革・発展の六大目標

<公報の内容>

会議では、2020年までの農村の改革・発展の基本目標として次のことが提起された。▽農村経済体制をさらに健全化させ、都市・農村の経済・社会の一体化発展体制メカニズムを基本的に築く▽現代農業建設で顕著な進展を達成し、農業の総合生産能力を明らかに向上させ、国の食糧安全と主な農産物の供給を効果的に保障する▽農民1人当たりの純収入を08年から倍増し、消費水準を大幅に上げ、絶対的貧困の現象を基本的に消滅させる▽農村の末端組織の建設をさらに強化し、村民の自治制度を一層整備し、農民の民主的権利が確実に保障されるようにする▽都市と農村の基本的な公共サービスの均等化を明確に推し進め、農村の文化をさらに盛んにする▽農民の基本的な文化権益がより着実に実行されるようにし、農村の人々がみな良好な教育を受ける機会を享受できるようにし、農村の基本的な生活保障や基本的な医療・衛生制度をさらに健全化し、農村の社会管理システムを一層整備する▽資源節約型で環境にやさしい農業生産システムを基本的に形成させ、農村の居住環境と生態環境を明らかに改善し、持続可能な発展力をたゆまず増強していく。

<専門家の解説>

1、 都市と農村の二元化構造を読み解くことが重要

于建嶸氏(中国社会科学院農村発展研究所社会問題研究センター主任) 都市・農村の発展および都市・農村の経済発展の一体化を統一的に計画するという新しい形は、公報が発した最も強いメッセージだ。07年の農民1人当たりの純収入は4100元を超え、1934年の60倍近くになった。単純に数字の上から言って、中国で絶対的貧困層がすでに大きく減少したことは大きな進歩である。だが、今年8月に発表されたデータでは、都市住民と農村住民の収入の比率は3.33対1となっており、現在提起されている都市・農村の経済・社会一体化に深い寓意が込められていることは明らかだ。

長期間にわたって、多くの地方は発展過程の中で都市と農村をひっくるめて1つの総体として考えたことがなく、都市と農村の発展の二元化構造が長年存在したことが、広範な農民の生活水準の向上を緩慢にしただけでなく、都市の発展、とりわけ都市の経済発展でも最後の踏ん張りに欠けるという問題に直面させることになり、最終的には必然的に国民経済全体の成長を制約することとなった。

農民にとって都市で働けることが、農民の収入アップに対する貢献であることは明らかだが、農民の経済資源と社会関係は依然として農村にあり、都市と農村の二元化体制に変化がない限り、彼らは都市住民と同等の国民待遇を享受することはできないのだ。

曹錦清氏(華東理工大学社会学教授) 都市・農村一体化を実現するには2つの基本的条件が必要だ。1つは現在の戸籍制度を廃止し、仕事や居住状況に基づく戸籍政策を実行すること。2つには、社会保障(主に養老、失業、医療保障)を、全国規模でバランスを保つようにすること。しかし、この2つの問題からはこれに関連して一連の難しい課題も派生する。各大都市間の差は短期間のうちには解消できないため、都市・農村経済一体化は「困難で長い」道のりになるだろう。

朱啓臻氏(中国農業大学農業民問題研究所所長) 都市と農村の関係でこれまで政府が提起してきたのは「都市と農村の統一的計画」という言い方だった。今の「都市と農村の一体化」という提起は、調和のとれた社会を築くうえで極めて重要な側面だ。もしも、私たちがなおも二元的な社会構造の中で、農村と都市で別々の制度を取るようなことがあれば、農民の平等な地位を具体化させるのは難しい。従って、「都市と農村の一体化」という提起は、これまでの「都市と農村の統一的計画」よりさらに一歩進んだもので、調和社会の構築にとって、農民の待遇を高めるのに計り知れない意義を持っている。

2、 国の食糧安全を確保

謝剛氏(国金証券農業アナリスト) 食糧問題は一貫して国の重要な戦略問題で、過去30年間、中国の食糧は自国に十分に供給されるほか、国外に輸出されてもきた。しかし、1998年以降、中国の食糧生産高は増加の勢いが足りず、1ムー当たりの生産高がもはや明らかな増加傾向を見せなくなった以外、耕地が減少したり、農民が耕地を放置して都市へ出稼ぎに出たりするという現象に直面している。これは、国の食糧安全にとって心配の種となっている。

第17期三中全会を「国の食糧安全を保障する戦略」という視点から説明すると、今後の食糧増産は緊迫性と長期性を具えている。中央財政は引き続き農村・農民・農業に対する優遇の度合いを強め、農業関連の会社はみな、税収優遇措置や貸付支援、資源拡張などでサポートされることになるだろう。政府は、農業生産の中の弱い部分に対して系統だった布石を打つことになるだろう。その目的は、農業への投入不足やインフラが脆弱な状況を根本から変え、食糧増産や農民増収のための長期的かつ効果的なメカニズムを築き、現代農業を積極的に発展させ、農業の総合生産力を高め続けることだ。

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