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 農村改革のもう1つの一里塚
第17期三中全会公報を専門家が解説

 

二、 今後の農村改革の原則は、農村経済・農村社会を良好にスピーディーに発展させること

<公報の内容>

会議では次のことが強調された。社会主義新農村の建設を戦略的任務とし、中国の特色ある農業現代化の道を基本的な方向性とし、都市・農村の経済・社会の発展を一体化させた新しいスタイルの構築を加速させることを根本的な要請として、工業が農業にお返しをし、都市が農村をサポートし、農業・農村への投入を増やし、農民の負担を軽減し、農村経営を自由にやらせるという政策を堅持し、体制メカニズムを刷新し、農業の基礎を強化し、農民の収入を増やし、農民の権益を保障し、農村の調和を促進し、広範な農民の積極性、能動性、創造性を十分に引き出して、農村経済と農村社会の良好でスピーディーな発展を推し進める。

<専門家の解説>

李衡氏(天相投資アナリスト) 第17期三中全会が提起した農村改革は、固定資産投資、農村での消費、経済成長、収入の分配などの面に影響を与えることになるだろう。

投資と消費は、農村経済と農村社会の良好でスピーディーな発展の主な原動力となるものだ。ここ数年、農村の固定資産投資は全社会の固定資産投資の増加に比べ遅れている。1996年以降、農村の固定資産投資が全社会のそれに占める比率は年々減少しており、96年の23.3%から07年には14.4%へと大幅に低下した。固定資産投資の遅れがかなりな程度、農村の発展の遅れをもたらしている。第17期三中全会後は、政府が農村の道路交通網などインフラ建設に力を入れ、農村の医療施設・設備への投資と教育への投資を拡大するとともに、その他の政策を講じて農村の固定資産投資を促進することが期待されている。また、農民がさまざまな形で土地の請負経営権を流通させることを許し、適度な規模の経営を発展させることで、農村の固定資産投資の増大を刺激することになるだろう。都市と農村の格差を縮めるには、投資面で農村の固定資産投資が社会全体のそれに占める比率を少なくとも90年代の水準に戻す必要がある。私たちの試算では、2012年までに農村の固定資産投資の規模は07年の3倍となる6兆元になるとともに、都市部の固定資産投資は04年の水準になると見込んでいる。

第17期三中全会が提起した土地請負経営権の流通と農産物価格が形づくるメカニズムの改革は、農民の収入アップに役立つもので、こうすれば消費増大や内需拡大に有益でなおかつ、農家のエンゲル係数を下げ、農村の消費のグレードアップを促す。今後、農村住民の消費では、居住、交通・通信、文教・娯楽用品およびサービスなどの面の支出が明らかに拡大すると見込まれる。

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