本誌記者 馮 建華
今年8月上旬、「中国音像著作権集体管理協会」(以下「音集協」)が公告のなかで、カラオケ著作権使用料の08年全国徴収基準を発表した。徴収額が最も高い地区は上海市で、カラオケ店の1日1個室当たり11.1元、上海、北京、浙江省に次ぐ広東省は10元だ。
公告は、各地のカラオケ著作権使用料は、国家版権局が06年の第1号公告で公布した1日1個室当たり12元という基準に基づき、全国のサンプルデータと各地の具体的な状況を結びつけて調整を行う、としている。
その約1週間後、「音集協」の関係者は、使用料の基準はさらに調整していく可能性があり、毎年1回公布することになるかもしれない、との見解を示した。
現在、中国の音楽・映像に関する著作権の管轄組織は2団体で、「音集協」のほかに「中国音楽著作権協会」(以下「音著協」)がある。「音著協」は、作詞者、作曲者の利益を代表するもので、「音集協」は録音、ビデオ、音楽・映像の制作者の利益を代表している。「音集協」の発表によると、「音著協」と協議した結果、カラオケの著作権使用料は「音集協」がまとめて徴収したあと両協会の間で精算することになったという。
難航した経緯
確かな数字ではないが、中国には約10万社のカラオケ企業があると言われている。「音集協」の王化鵬常務副会長によると、現在、カラオケ業界の80%以上の経営者がVODシステムを伴奏曲として消費者に提供している。VODとは、ビデオ・オン・デマンドの略で、消費者の好みのコンテンツにその場で応じるという新しい方式だ。しかし、VODの供給業者は、著作権を保護されているこれらの音楽映像作品を大量にコピーする際、それに関連した著作権者の許可も権限授与もほとんど受けていないのが実情だ。
このため、音楽映像作品の著作権者の利益を守るため、05年12月23日、国家版権局の認可を経て中国音像集体管理協会(以下「協会」)が規定の作成準備を始めた。
06年11月9日、国家版権局は「カラオケ経営業界著作権使用料基準」を発表し、カラオケの著作権使用料の徴収業務が正式にスタート、その執行機関は準備の中で設立された中国音像協会となった。
06年3月8日、協会の作業部会準備会が民政部に対して社会団体としての登記申請を行った。しかし、なかなか審査結果が得られず、すでに運営を始めていた協会は、いわば「非合法」で不正常な立場に置かれることになり、こうしたことが外部から排斥される事態を招く大きな要因になった。
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