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平泳ぎの王者・北島が「水立方」で試泳

28日、すでに選手村に先陣を切って入っていた日本の競泳陣が、平泳ぎの王者・北島康介を筆頭に、初めて国家水泳センター(通称「水立方」)で練習を行った。今期五輪大会に参加する31名の日本競泳陣全員が5月以来、初めて一堂に会したことになる。競泳の上野広治監督は「8個以上のメダルを獲得するのを目標に、本番の日に最高のコンディションにもっていけるよう調整していく」とコメント。29日には北島をはじめ日本競泳陣は韓国済州島に向かい、北京五輪を前に最後のトレーニングを行っている。

北京首都国際空港に到着した競泳日本代表の北島康介選手(7月27日)

競泳日本代表チームの選手31人が、7月27日に北京に到着した。

7月27日に北京到着してから28日まで、わずか2日間の短い滞在期間中、日本競泳陣は国家水泳センターで会場の感触を確かめる練習を行い、北島は「だんだん五輪本番に臨む気分が盛り上がってきている」と笑顔で語った。

27日午前、首都空港の到着ロビー。押し寄せた日本報道陣と水泳ファンでごった返す中、日本競泳陣の一行25名が到着口から列をつくって出てきた。先頭を行くのは日本競泳監督の上野広治氏。監督のあとに続くのは、アテネ五輪で男子平泳ぎ50mと100mで2つの金メダルを獲得した日本競泳陣を引っ張る北島康介。25歳の北島は少しヒゲを蓄え、4年前のアテネ五輪の時よりだいぶ成熟した様子だ。歓迎の人々の群れに向かい、品よく手を振ってあいさつする彼は、リラックスした楽しそうな表情を浮かべている。アテネ五輪の女子800m自由形で金メダルを獲得した柴田亜衣や男子100m背泳ぎで銅メダルを獲得した森田智己も次々と姿を現し、笑顔で手を振る。チームの全員が着用する水色のジャケットの胸には五輪マークが輝き、旅の疲れはまったく見えない。

成田空港を発つ前「気持ちが高まってきている」と意気込みを語った北島は、アメリカでの高地合宿に入ってから徐々に五輪本番に向けてのコンディションづくりをしていた。「一番良い結果を出して凱旋帰国する」と話す彼は、これより前にトヨタ自動車が行ったイベントの席上、「金メダルを3つ取る」と宣言。

27日には韓国済州島で前期合宿を行っていた6名と北京到着組が合流し、31名の日本競泳陣が日本代表団の先陣を切って当日オープンしたばかりの五輪選手村に入った。

「水立方」で練習を行った北島康介選手

同夜、「水立方」での練習を終えたあと、「泳いだ感じはいい。今のコンディションはとてもいい」と言う北島は、今回も金メダルを守るために2つの点に注意していると語った。1つは、今回は前回と違って決勝レースが午前に行われるため、午前に結果が出せるようにすること。2つ目は暑さ対策をとって体力の消耗を防ぐことだという。また、北島のコーチである平井伯昌氏はアメリカの合宿を通じて「北島はスピードをあげている感じだ。勢いはいい」と語り、その場にいた日本の報道陣は、これを「世界記録更新も北島の北京五輪の目標」という示唆ではないかとした。

28日、午前と晩の2度、「水立方」で練習を行った日本競泳陣のうち、柴田亜衣は午前の練習で一気に6700m泳いだ。初めて水立方に入った柴田は「明るいプールで、泳いでいて気分がよかった。五輪が間近に迫ったのを実感している」とコメント。「水立方」の天井は水滴を模した造りで採光にユニークな工夫がなされている。これに対し、男子背泳ぎで初めて五輪競泳陣に選ばれた入江陵介は「不思議な感じがしたけど、すぐに明るい気分になった」と感想を述べた。

「北京週報日本語版」 2008年7月31日

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