犠牲者の捜索・救援活動が進むにつれ、地震による経済的影響に対する懸念が市場で生まれている。このような情況のもとで、今回のブン川地震と1995年に日本で起こった阪神大震災との比較が一部の評論家によって行われた。「中国証券報」が伝えた。
ブン川大地震による犠牲者数は、阪神大震災時よりかなり多いが、経済に及ぼす影響は阪神大地震ほど深刻ではないだろう。四川省では、農業がかなり重要な地位を占めているが、同省の被災地人口、GDPおよび工業の付加価値額が全国に占める割合は、1995年阪神大地震の被災地の約4分の1にすぎない。
具体的に言えば、今回のブン川大地震で被害が最も深刻な地区のほとんどは山岳地帯にある一方、神戸および周辺部は日本製造業の中心部だ。例えば、神戸には、世界最大の鉄鋼工場のひとつや、当時世界6位の大型コンテナ港がある。このため、阪神大地震は日本の製造業や交通運輸に対して深刻な影響をもたらし、その損失額は2千億ドルに達すると言われた。これは、当時の日本のGDPの2.5%を占め、経済的損失が世界最大の自然災害となった。
阪神大震災によって深刻な経済的損失を被った日本経済だったが、実際には予想よりはるかに好調だったどころか、急速な回復を見せた。工業活動と消費者信頼度・支出ともに、地震発生後はいったん急に落ち込んだが、力強い再建ニーズに牽引され、再び急反発した。四半期データによると、地震によるマイナス影響の大きさを人々はほとんど認識していない。地震発生時の四半期GDP実質成長率は前四半期比1.2%増、前四半期の同比1.5%減から反発、また、その後の四半期には同比5.1%増と急上昇した。
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