南京大学外籍教師・斎藤文男
中華虎鳳蝶(チュウゴクギフチョウ)と桜の花の競演による“日中の春”が、江蘇省南京市で実現した。同市集慶区の鳳游寺小学校(林静校長、児童数463人)の昆虫飼育場「六足園」(面積50平方㍍)で、昆虫班5年生の児童たちは、中華虎鳳蝶が桜の花に止まって蜜を吸うところを見て、見事な美しさに歓声をあげた。
同小では、昆虫の飼育、観察を通じて児童に科学的なものの見方を学んでもらおうと4年前、昆虫飼育場の「六足園」を作った。蝶類を中心に4~6年生の昆虫班20人が交代で飼育、観察を続けている。教科書で桜が日本の国花であることを知り、自分たちの飼育、観察している中華虎鳳蝶が、桜の花で吸蜜するかどうか、今年、桜の開花を待って実験した。
「六足園」は今冬の大雪で倒壊してしまったが、雪解け後に改修された。しかし、地上の落ち葉などの中で越冬していた蛹は、工事中に全部踏み潰されてしまった。同小で蝶類の飼育、観察を指導している蝶研究家、張松奎さんが、紫金山にある自身の実験地で羽化した中華虎鳳蝶を持ち寄り、「六足園」内に放した。
「中日友好を象徴」
中華虎鳳蝶は桜の花に止まると、ストローのような口を伸ばして吸蜜を始めた。見ていた児童たちは「わ~っ、きれい!」と、初めて見る光景に大喜び。そっと顔を近づけて、蝶と桜をじっと見比べていた。
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