06年9月、米国の著名なデジタル画像サービスを手がけるUIGグループが「視覚中国」に対し1000万ドルを投資し、雷海波氏が創設したサイトは国際的企業から多額の投資を受けた国内初のビジュアル・デザイン系サイトとなった。その後UIGグループは、世界的なストックフォトの最大手ゲッティイメージズ(Getty images) と共同で中国のストックフォトサイトに投資し、ホールディングカンパニーの北京漢華易美図片有限公司への投資に成功した。そして国内最大のメディア画像配信サービスのCFP(国務院新聞弁公室図片庫)とゲッティイメージズ・チャイナ(華蓋創意)を「視覚中国」の戦略的協力パートナーとし、その産業プラットフォームが中国のビジネス画像市場へと向かう後押しをした。
やがて、「視覚中国」は北京で催される最も影響力を持つデジタルコンテンツの展示会やフォーラムを一手に引き受け、業界内およびデジタルビジュアル系専門大学・学院の中で老大家的地位を築き、同ウェブサイトもこの分野を学ぶ若者やビジュアルファンの若者たちにとってカリスマ的存在となっている。
「中国視覚」の今後は
現在、中国ではデジタルビジュアル関連の専門大学・学院の設立が増えつつある。一部の専門芸術大学以外に、一般大学でもアニメ・コミック、ビジュアルアートなどの専門科を設けるなど、産業全体として今後、ビジュアルアートの教育と人材育成がいっそう重視されることになるだろう。
中国最大の影響力を持つCG業界誌『数碼設計』(CGワールド)は07年11月に「2007全国CGエキスパート講演」と題したイベントを繰り広げ、北京、天津、保定、長春、大連、無錫、重慶、成都、深セン、青島など全国10省・市と22の芸術大学で巡回講演した。
同様のイベントは国内では珍しくなく、10年前と比べるとビジュアルアートの教育・育成環境は長足の進歩を遂げている。
「毎日視界」の黄健明氏は、業界内の新人や現在学習中または育成中の人材は恵まれた時代にあり、10年前と比べ、国の政策的助成も含めて時代の動向、市場全体の環境が数段よくなり、コンテンツ産業の成長比率は上がる一方と見ている。
だがもう一方で、この業界に参入しようとする人は依然としてかなり大きいプレッシャーに直面しているとする黄健明氏は、「大学や育成班で学ぶにしても、独学で学ぶにしても、若者にとって難しいのは確か。この道について自ら正しい位置づけをし、堅い決意を守りぬくことでより良い未来が約束される」と語る。
一方、『数碼設計』誌の編集長・郭光氏は、ビジュアルコンテンツ産業に携わるには、基本的な素質が必要だと考えている。それは、この職業をこよなく愛することであり、一定の志向性と気概を持つことだという。なぜなら、中国ではこの業種は初歩的段階にあり、短期間で海外のような成熟した理想的な状態に達するのは無理な話だからで、そのため旺盛な情熱が強く求められている。
次に、芸術的な素質もかなり必要だ。コンテンツ産業に従事するなら、一定の芸術的素質がなければ絶対に無理だ。だが、こうした素質は一朝一夕に育成しきれるものではなく、息の長い蓄積と薫陶のプロセスが必要だ。最後に、優れたコンテンツは優れた技術によって実現できるということだ。最終的にコンテンツを実現できるか否か、成功するか否かを決め、最終的な価値を決めるのは技術だ。
業界の環境が大きく改善され教育・育成が発展するなかで、中国のビジュアルコンテンツの明日は光明に満ちている。
「北京週報日本語版」 2008年2月21日 |