第17回党大会に登場
06年の第16回党大会第6次中央委員会全体会議の後、第17回党大会代表の選挙が始まった。「第17回党大会代表の選挙活動に関する通達」の規定によれば、代表は共産党員の中の優秀な人物がなるべきであり、先進性を守り通しているほか、幅広い代表性を備えていることも必要である。通達では「新しい経済機構と新しい社会組織の党員が適当数いることが必要」と明確に指摘されている。
共産党員歴31年の孫さんをはじめとする重慶市弁護士協会は、専従弁護士3236人を有する協会であり、新しい社会組織の典型と見られている。孫さんは05年4月に現職を担当するため、弁護士事務所の共同運営者の肩書きと百万元にのぼる年俸をためらうことなく放棄した。
「私から見れば、弁護士の職責は人民のためにものを言い、民権を守ること。党代表としての職責は、末端の真実の声を党大会の席で伝えること」と彼女は言う。
「21世紀経済報道」によると、第17回党大会に出席した代表には、新しい経済機構層の代表が18人いる。江蘇省紅豆グループの周海江総裁はその中の1人だ。
紅豆グループは1957年、小さな綿花加工の作業場から創設された。1983年にはメリヤス工場に発展し、周さんの父親が工場長に就任した。1987年末、この郷鎮企業が倒産寸前になったため、周海江さんは公職を辞してこの企業に入社、父親とともに再創業した。04年には、すでに10社の子会社、100社余りの専門工場と上場会社1社を擁する民営グループとなり、周海江さんはグループ総裁の職責を担うことになった。05年2月、周さんは紡績業界の企業家として中国で初めて米経済誌「フォーブス」の表紙を飾った。
今年41歳の周海江さんは早くも大学時代から共産党に入党した。「02年の第16回党大会以降の5年間は、紅豆グループの発展が最も速く、最も重要な5年間。売り上げは5倍増で28億元から143億元になり、資産総額は11億元以上になった」と周さん。
数年にわたる模索のすえ、紅豆グループは自分なりの発展の道を探し当てた。「民営企業の発展チャンスはどこにあるかと言えば、政権党の政策方針を実行することが最も大きなチャンスにつながる。政策そのものが展望性と指導性を備えているので、民営企業がそれを十分理解し、実行できれば、発展過程における問題をりっぱに解決することができる」と周さんは言う。
紅豆グループには14の党支部委員会が設けられており、上級管理職はいずれも共産党員で、グループ傘下の100社余りの工場の工場長と中間層管理職の80%も共産党員だという。
湖南省三一重工グループ理事長の梁穏根さん(51歳)は、2004年に入党したばかりの新米党員だ。2006年「フォーブス」誌の中国富豪番付に、33億元で59位にランクされた。彼は第8、9、10期全国人民代表大会の代表だった。今年はさらに党大会の代表として中国トップランクの政治舞台に登場した。
梁穏根さんは「第16回党大会以降、三一重工グループが並々ならぬ発展を遂げられたのは、党の好政策と国の発展環境に恵まれたほか、湖南省の新型工業化推進戦略のおかげでもある」と指摘した。「民営企業家が党代表になる最も直接的な意義は、中国の民営企業家が入党できるようになったことを世界中の人々が知り、会社の知名度も上がること。これは事業を発展させるために大きな励み」と梁さんは率直に言う。
梁さんによると、三一重工グループでは、共産党員は従業員総数の8分の1に達し、企業の重要な血脈となっている。
今年6月末現在、全国の一定規模以上(年間売上高500万元以上の非国有商業企業、200万元以上の非国有工業企業または国有企業)の非公有制企業は18万7000社で、共産党組織を創設した企業は16万4000社に達している。06年末現在、全国の非公有制企業には共産党員が286万3000人おり、個人経営者の中には81万人いることが中国共産党中央組織部の統計データで明らかにされている。
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